日断つ雨
「おはようございま〜す!」
朝起きて寝癖と戦っていたら、もう集合時間になってて慌ててホテルのロビーに行った
そこには皆はもう来ていてやっぱり自分が一番最後
そんな私をリドウが呆れてハァ…とため息をした
「ギリギリだなリル」
「すみません…」
「はりきってんのか知らねぇが、個性的な髪のセットしたいならもっと早起きしろ」
「これは寝癖でーす!」
「おっと、それは失礼したね」
からかって笑うリドウを見ると、私と違って変わらず綺麗なストレートヘアー…
馬鹿にした腹立たしさの他に、女性として負けた悔しさも込み上げてきそうだ
そんな私の様子に気付かないのか、全員集合と言う事で早速目的であるファイザバード沼野に向かった
………この時、私はこれからあんな事になるなんて予想すらしていなかった
―――――――――――
イル・ファンから出ると、街と同じく深い緑色に光る夜空だけど、街灯や灯りが無いから少し薄暗い…
それに一歩ずつ歩いていくと、だんだん足元がぬかるんできたような……足音もべちゃっべちゃっとするし
泥?スカートに付いたら大変だと思って軽く捲ると、前を歩いてたリドウが来た
「…何だ?」
「え?」
「サービスってやつ?」
「は?ち、違いますよ!服に泥が付くかなって思って…」
「たしかにここは湿地だからな…けど、男の目も気にした方がいいぞ?」
そう言われて他にいる男性社員も見るけど…
皆前を向いてただ歩いているだけにしか見えない
「私は後ろにいますし、見られないかと…」
「案外、横にいて横目で見ていたりしてな……特にイバルとか」
そう言って私の横にいたイバルを見た
「はっ!?はぁ!?な、なな何を言ってんですか!」
「そうですよ!イバルがそんな事するわけないですよ!」
急に話を振られただけでなく、不名誉な役を買わされたイバルは驚きつつリドウに反論して、私もフォローを入れた
「へぇ、リルはイバルの何をわかっているんだ?」
「え……」
おふざけな流れの話だから何も考えないでそう反論したら、リドウが急に真顔になって真面目な一言を言う
「そ、それは…」
「わからないなら、少しは疑った方が身のためだぞ?」
その一言に対して何も言えないでいると、リドウは先に行った
「(疑えって言っても…態度とか性格見ていればわかると思うけど……)」
「あのっ!俺は見ませんから!」
「あ、うん。大丈夫!わかってるから」
まだ言われた事を気にして疑われないように必死に言うイバル
その様子に可愛いなって思いながら笑って「疑ってないよ」って返事した