日断つ雨
「えいっ!パラライショット!」
精霊術で雷を帯びさせた鞭をユニコーンの頭を狙って打つ
しかし、足の早いユニコーンにはなかなか当たらない
「(せめて、あの素早い足を止められたら…)」
そう思っていると、イバルの攻撃がユニコーンにヒットした!
「幻影刃!」
「(わっ攻撃早い…!けど、頭から突っ込んで大丈夫かな?)」
一応関心しながら見ていると、ユニコーンが地面に倒れた!
私はその隙にと、鞭を打ったがあまり効いてないみたい…
そうこうしている内にイバルがトドメを刺した!
「よ……よし、やりました!」
双剣を鞘に収めてガッツポーズした
周りを見ると、社員達があれだけいっぱいいた植物の魔物を全部倒していた
「もう、これで任務完了ですね!」
そう思ってリドウに近づいて話を聞く
「あぁ…で、お前はどうだった?」
「イバルの戦いですか?……まぁ良いと思いますよ?私よりも攻撃が早くて…」
「俺から見れば前ばかり見てて危なっかしいって思うけどな」
たしかに、これは複数で戦っていたから前ばかり見てても大丈夫だった
「お前とイバルは似たようなもんだな。前ばかり突進するってボアか?」
「ボ…ボアですか!?例えが魔物って無いですよー!」
「あぁ、そうだな。例えられたボアが可哀想だな」
「ボアの方を気にしてどうするんだよ!?」
イバルと私を弁解する言葉は無いのか聞くが、そんなのは無いと笑いながら即答された
うわーー!ムカつくーー!!
誰がボアだ!誰が!!
そう言うアンタは見た目痩せているからジェントルマンじゃねーか!って内心毒吐きながら「訂正しろー!」って訴えた
すると
「…退けっ!!」
さっきまで私を馬鹿にして笑っていたリドウだったけど、いきなり驚いた顔になって私を横に押し退かした!
「痛っ!」
いきなりな上に強い力だったから、私はその場に倒れた
何があった?と思っていると
何かが飛んできた音と…
「リドウ副室長!!?」
と言う社員達の声を聞いて、その方向を見る
そこには
奥の草むらの陰にあの緑色のプチプリがいて……
私の近くで脇腹から血を流してその場に蹲るリドウがいた
「―――――っ!!?」
私は叫びそうになったが、息を呑んでしまい声が出なかった
嘘……なんで……?
なんで、リドウが血を流しているの…?
いきなり色んな事がありすぎて、頭が追い付かない
そう思っていると、男性社員1人は魔物を倒しに。女性社員1人とイバルが私に近づいて、残りはリドウの救護に行った
「大丈夫ですか!?」
「は、はい……私は大丈夫だけど…何があったんですか?」
「それが、あの草むらに隠れていた魔物が精霊術をリルさんに向けて放ったんです。それにいち早く気付いたリドウ副室長が……」
「え、まさか……」
イバルのその言葉どおりなら……リドウが私を庇った?
そう思ったのが顔に出てたのか女性社員は頷いた
「俺も早く気が付いていたら…」
そう悔やむイバル
私は頭の中が「リドウは何故私を…?」という疑問でいっぱいだったが
苦しそうにしてる彼を見て
「――――リドウ副室長!!!」
急いで駆け寄った!
私のせいで大怪我をさせてしまった罪悪感と後悔などに押しつぶされそうになりながら、今は治療をしなければ!と、ありったけの力で回復術をやる
「な……なんだぁ?ハッ…ひでぇ面…だな」
まだ出血するわき腹を押さえながら苦しんでいたリドウは、雨と涙で汚れた私の顔を見て鼻で笑う
「(ごめんなさい…ごめんなさい……私、やっぱり貴方の言うとおりボアだ……前ばかり見ていたから、こんな事に……!)」
そんな彼に構わず回復を続けながらさっきまでの事を思い出した
言い合ってムカつくって思っていたけど、もうそんな気持ちは消えて彼が死ぬのでは?と恐怖が湧いた
とりあえずここにいては何も変わらないと男性社員2人がリドウに肩を貸してゆっくり歩き、私は回復術を唱えながらテントまで戻ることになった