急変した日
「(にしても、変な夢だったなぁ…あんなに短い夢だったのにはっきり覚えているなんて……)」
「ん?どうした?」
「えっ」
帰り道、先ほどの夢の事を考えていたら、ずっと黙っている私に美央がどうしたか聞いてきた
話そうかな……って思ったけど所詮は夢だから、深く考えない方がいいか
「あ……いや、進路どうしようかなぁって」
咄嗟に別の話をした
「進路かぁ……私もどうしよう………」
そう、私達は短大生なので来年には色々忙しくなる
特に進路を決めなくてはならない大事な時期だ
そして今は10月。もう決まっている人は受験勉強したり資格を取ったりしている
「私、美容師目指そうかなーって考えてる。莉瑠は?」
「私は………」
「―――――…ぃ……」
「ん?」
自分が考えてる進路を美央に話そうとしたら何処からか声が聞こえ、立ち止まって辺りを探した
「どうした?」
「いや、なんか聞こえたような……」
ここは薄暗い大学の近くの林道。所々に立つ電柱の古びた電光が弱々しく光り、辺りをぼんやりと照らす
周りを見回しても私と美央以外に下校している人は見かけない
気のせいかな?って思っていたら
「え、ちょっとやだ……ここら辺出るって噂……本当なのかな?」
と、美央が怯えだして周りを慌てて見はじめた
そう、ここは大学内で有名な怪談の噂がある所
なんでも怪しい人影を見かけたとか、女の人の啜り泣く声が聞こえたとか……
でも、私がさっき聞いたような気がしたのは男の子の声
多分近くに住んでいる子の遊んでいる声がこっちに響いているのだろう
「……あ、ごめん気のせいだ」
とりあえず、はっきり聞いたわけじゃない。確信はないから美央に大丈夫だと伝えようとしたら………
「……―――――見つけた」
「えっ?」
今度ははっきり聞こえた!
それも近く!
周りを見回すと、林道の奥から光る物が見えた
何だろう?と思いながら目を凝らすと……
それは人型に光る何かで、こっちに向かってゆっくり近づいてきた!
「ぎゃああああーーーー!!出たーーーーー!!!」
美央は光る人型を見つけ叫ぶと、私を置いて一目散に逃げていった!
「って、ちょっ!馬鹿!置いていかないでよ!!―――うわっ!」
ドサッ!!
大学の方へ逃げていった美央を追いかけようと慌てて走り出したら、気持ちばかり先走り、足が追い付かなく転んでしまった
「……――――もうすぐ現れる」
「っ!?」
すぐ後ろから声がして、振り向くと
光る人型がすぐそこに!
「―――!!」
悲鳴を上げたかったが、声が喉に詰まってできなかった
人間、あまりにも驚くと声を失うって本当だったんだな……
どうすることも出来ない私はしばらく光る人型を見ることしか出来なった
するとその光が強くなって周りが一面、白く眩しく何も見えなくなる!
「……―――君は使命の名を貫く?」
この状態である事を思い出した!
「あ、これ、あの夢の……!」
そう、さっきの夢の内容と似ている気がする
姿は見えなかったけど声はこんな感じだったような……
しかし私は今寝ていない。確実に起きている
じゃあ、この状態は夢ではなく……現実?
何が起こってるのかわからない
「……―――それとも
……… 」
その声を最後に光が強くなり、辺りが何も見えなくなったと同時に意識を失った