走り出す運命と重なる
リドウとの交際が始まって数ヵ月後
今日の私の仕事はビズリー社長の護衛だ
数日前に社長が新しくなったアスコルドっていう自然工場のオープンセレモニーに呼ばれた際に私に護衛の任務をお願いしてきて、勿論断る理由も無いからすぐに引き受けた
出発地のトリグラフ中央駅に行くと今まで見たことないくらいの大きくて立派な列車があった
ビズリー社長はそれを見て「あれが特別列車か」と言うと
その時、ヴェルさんが頷きながら自分のGHSを開いてメールを確認した
「リドウ副室長からです“クラウンに不審な行動あり。注意されたし”」
「フッ。あいつが仕掛けてくるなら、それも一興だ」
クラウン?……2人はそう話したけど、何の事だろ?
まぁ、私には関係無いかと思っていると
駅長さんが社長に「これはこれは!お待ちしておりました、ビズリー様。特別列車は定刻通り発車予定です」って言ってきた
よく見たら私達が行く先にいた人たちが次々と端に避けて道を開けている
普段、社長とこうして歩かないから実感無かったけど……
やっぱり社長は会社だけのトップじゃなくて世界の裏のボスって感じだね!
例えが悪いけど一応褒めてます。なんて思っていると、早速駅長さんから列車内に案内されたから遅れないようについて行った
内装は綺麗で広くて……列車っていう感じでは無くホテルのような豪華さに包まれていた
そんな車内にはセレモニー行きと言うだけあって大富豪やら、よくテレビで見る著名人が沢山いる
ここは全体が特別なためかビズリー社長は入ってすぐ近くの座席に座り、その隣にヴェルさん。そして2人の向かい側に私ともう1人いた護衛のエージェントが座った
いつ発車するかな?って待っていると
どこからか音がする…
あ、鞄の中のGHSが鳴っている!と気付いて取り出して見ると
リドウからの電話で鳴っていた
どうしよう。今仕事中だし、第一列車内だからな……リドウには悪いけど電源を切ろうかな?
そう思っていると社長が私に言った
「出なくていいのか?」
「はい、仕事中ですし…」
「フフッ…リドウからだろう?出ないと機嫌を損ねて大変じゃないか?」
「えっ!しゃっ…社長!」
私とリドウが交際しはじめたのを知っている社長はそう言ってきた
もう!社長まで人をからかうように笑って言ってくるなんて…!
照れなのか気恥ずかしさなのか…どっちでもいいけど顔が赤くなりながら
「じゃ、じゃあ、少し失礼します……」
社長達に一言言って席を立って……なるべく人がいなさそうな所まで行く