走り出す運命と重なる



ルドガー・ウィル・クルスニク……?

その姓ってまさか…

私が思った疑問を社長も思ったらしく、彼に聞いた




「…ユリウスの身内か?」

「はい」

「貴方が…ユリウス室長の弟さん…!?」




私はそれを聞いて、彼の戦い方はユリウス室長と同じだから見たことあるように感じたんだって納得した

その時ジュードは、クルスニクって苗字に驚いていたみたい

エレンピオスの歴史ってまだわからないのかな?って思っていると、ヴェルさんはGHSで男性……ルドガーについて調べていた




「本社のデータにありました。ルドガー様はユリウス室長の弟です……母親は違うようですが」

「(え…?)」




また驚いた…ユリウス室長とルドガーって異母兄弟だったんだ…




「そうか。では私とも家族のようなものだな」




それを聞いた社長はルドガーにそう言ったけど…

その言葉に何か含まれているものがあるように聞こえた

……社長として部下の弟だから放っておけないって意味で言ったのかな?

たまにそんな風に器の大きな人見かけるし、異世界者の私を受け入れたこの社長なら納得できるけど…


考えていたら、急にどこかで爆発したような音と衝撃が車内に響いた




「きゃっ!」




近くにいた女の子がその衝撃で倒れそうになったのを、私が軽く支えて助けた

何があったの…?

そう思っていると社長が爆発音がした方を見て言った




「始めたな、アルクノアども」

「アルクノア!?」

「(やっぱり……!)」




驚くジュードとは裏腹に、私は最悪の予想が的中して恐怖からか汗を1つ流す

けど、ルドガーと女の子は何の事かわからないみたい

その様子を見たヴェルさんが2人に説明した




「リーゼ・マクシアとの和平に反対するテロ組織です」

「連中、和平政策を支持する我が社を目の仇にしていてね…恐らく、この列車をアスコルドに突っ込ませるつもりなんだろう」

「!?」

「!」

「そんなの困る!」




アスコルドに突っ込ませる…!!

それを聞いて背筋が凍りついた私とルドガー

そして、怖いだろうけどそれは許さないって怒る女の子


どうしよう……このスピードのまま特別列車が工場に突っ込んだら……!


私は生きた心地がしなくなり、リドウから貰ったペンダントをYシャツ越しに掴んだ




「(リドウさん…帰ってくるって約束したのに…!)」




もう終わるかも…そう絶望していると




「この列車を止めよう!」




ルドガーが何もしないよりは何かしようと、行動に出ようとした




「できるの?絶対?どうやって?」




ルドガーに対して女の子はそう質問すると、ジュードも何か良い策ないかを考えて提案した




「先頭車両を抑えられれば…」




それを聞いたルドガーが先頭車両がある方に向いた




「やる気か…面白い」

「僕も行きます…責任があるんです」




ルドガーの姿勢に社長が期待するように見ていると、ジュードもルドガーと一緒に行こうとした

責任……世界共存の為とはいえ、断界殻を消して世界が混乱した原因は自分って思っているのかな?


すると列車はまた加速しはじめた!




「急ごう!」




加速に気づいた彼らはすぐに先頭車両に向かった


残った私は女の子に「大丈夫だよ。もうすぐ助かるよ」って励ました


怖いのはこの子も一緒。大人の私が怖がっていたら、この子の恐怖心が大きくなって泣いてしまうのではないか?と考えたから毅然とした態度でいた

例えどうなるか、わからなくても……ここは大人として子供を守ろうって、動揺するのを止める


ここで初めて気づいたが、女の子の近くに大きな猫がいた

可愛いなぁ〜。種類は……模様の配置から見ればシャムっぽいけど、なんか太ってて狸みたいな子だなぁ

女の子のペットかな?ってよく見ると…

前にユリウス室長から画像で見せてもらった“ルル”って気づいた!

あぁ、ルドガーが連れてきたのかな?って思ったら


女の子が急にあちこち探すように見渡して、慌てた様子で私に言ってきた




「時計がない!」

「え!?時計?どんなやつ?」

「金色で丸くて…」




すると女の子は、ここに無いと判断して先の車両に探しに走って行った!




「あ!ダメだよ!この先にはアルクノアが…!」




私の言葉を聞かずに行く女の子

その後を大きな猫……ルルが追いかけた

それを見た社長も、女の子に危ないよって言ったけど




「危なくても大事なの!カナンの地に行くお守りなんだから!」




って先の車両に行ってしまった




「(え…カナンの地?)」




女の子が危ない!って焦りもあるけど、その言葉に驚いて止まってしまった


カナンの地って…

オリジンの玉座がある…

クルスニク一族に課せられた審判の最終地点


なんであの子がそれを知っている?

まさかあの子もクルスニク一族?


そう疑問に思っていると社長が「面白いことになっているじゃないか……」って何かを企む笑みを浮かべていた




「リル。私達も行くぞ」

「え!?あ、はい…」



何がなんだかわからないけど、私は社長の命令を了解して、女の子とルドガー達を追った


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