動揺隠せぬ監視者
「失礼します」
そう言って社長室に入ると、そこにいたのは、さっき見かけた時と変わらない…
いや、テロやユリウス室長に対して慌てた様子を一切見せないって言った方がいいか
いつもと同じように冷静な表情で椅子に座っているビズリー社長がいた
「リル、もう動けるのか?」
「はい。大丈夫です」
「そうか……なら、君に重大な任務を与えたいが、いいか?」
ビズリー社長は机の上で手を組んで、私に与える任務を言った
それは……
「しばらくの間、ルドガーの監視をしてもらいたい」
「かっ、監視……!?」
驚いた……てっきり今の状況から考えれば、事故現場に行ってテロについて調べるか、ユリウス室長の追跡って思っていたから
私は突然の任務命令に驚愕したが、社長は続けた
「あぁ。今、イバル君の情報からルドガーはドヴォールからもうすぐ自宅に着くそうだ。そこでリルには、ルドガーがユリウスと本当に何も関係無いか調べてもらいたい」
「どうやってですか…?」
「私はルドガーに、本当に関係者じゃなければユリウスを捕まえるのに協力してもらうように交渉する。交渉が成立したら、君は表向きはルドガーに協力する形で彼に同行し本当に連絡を取ってないか注意深く見てもらいたい」
「はぁ……」
つまり潜入捜査みたなものですか……
別に後から裏切って殺すって内容じゃないけど……監視って言葉は嫌な聞こえだなって、内心乗り気にはなれなかった
「やはり……リドウ副室長の言うとおり、ルドガーは疑いがあるから逃がさないんですね」
本当は、ルドガーも息子だから心配ですか?って聞きたかったけど、社長本人から聞いた情報じゃないから、こっちから人伝に聞いたのを話すのは失礼だと思って言わなかった
「あぁ。そのつもりだが……」
ビズリー社長は私がリドウから、今のルドガーの事以外にある程度事情を聞いたってのを察して
「すまないが、行動を共にする際には分史世界の事は“まだ”話さないでくれ」
「はい…?」
まだ?それはどんな意味なのか聞こうとしたら、ヴェルさんがGHSでメールを確認して私達に話した
「ルドガー様がご自宅に帰宅した。と連絡がはいりました」
「そうか…では、行こうか」
って、もう私が質問するタイミングが無くなった
あぁ…さっきから何がなんだか…
社長まで謎の発言するなんて…
とりあえず、社長達について行ってルドガーに会おう
そうすればルドガーが何も知らないって様子を見て、社長がわかってくれるって思った