火花は抑えて





その2人組みを見たリドウのファン達は、キッと睨んで言い返した




「何よ、犯罪者のファンには関係ないじゃない」

「犯罪者って…!だからユリウスがテロの首謀者だなんて間違いよ!」




なるほど。新たに来たこの2人組みはユリウスさんのファンの人達か

あの事件から彼女達も苦しいよな…

立ち去るつもりだったのに、私は思わず彼女達の会話を聞き続けてしまう




「それに私達は、あくまでリドウに近づきすぎたら危険だって警告しているだけよ?」

「警告?そう言ったら済まされるとでも思ってんの!?貴方達のやっている事は十分に犯罪よ!」




それを聞いたリドウのファン達は笑う




「ユリウスの罪は見逃すのに、私達のやっている事は罪だって?何おかしな事を言っているの?」

「あー怖いわー。ユリウスも貴女達も。そうなれば私達はリドウのファンでよかったわ!」





“そうなれば、リドウのファンでよかった”?

そう…なれば……よかった…?





「……あの」




私は無意識に、彼女達に近づいて話しかけてしまった

それに気づいてこちらを向く彼女達。リドウのファン達は「げっ…聞かれたか!!」って言わんばかりの苦々しい表情をして、ユリウスさんのファン達は「貴女は…!」と私の登場に驚く




「リドウのファンでよかった…って、どういう事ですか?」

「…は?」

「ですから何で貴女達は、ユリウスさんよりもリドウさんのファンでよかったって思ったんですか?」




私の言葉に「何を言ってんだ、こいつは」って思ったんだろう…

リドウのファン達はため息を付きながら話した




「そんなの決まっているじゃない。リドウはルックス良し、顔も整っていて、医者としてたくさんの人を救ってきた凄い人なのよ」

「そう!貧相な生まれでありながらその功績は眩しくて、私達の憧れなのよ!それに犯罪者じゃないもの…まぁ、医者のリドウがテロどころか人殺しすら出来ないと思うけど」




リドウのファン達は楽しそうに自慢げにそう話していると、遠まわしにまたユリウスさんの悪口を言ってユリウスさんのファン達を怒らせる




「へぇ……その自信はどこから?リドウさんが犯罪をしないって、どの根拠から言えるんですか?」

「はぁ?だから医者で…」

「医者だから?じゃあ、医者になった全ての人達は皆善人ですか?」

「それは…」

「たしかに医者として活躍しているリドウさんは貴女達やほとんどの人は素敵な方と思うでしょう……しかし、さっきの貴女達の言葉だと、まるでリドウさんの悪い一面を見たら今まで思っていた想いを全て無かった事にしてファンをやめるって聞こえます」

「なっ…!そんなわけ…!」

「じゃあ貴女達は、もしリドウさんが人殺しをしたってニュースになったら、変わらず彼を愛せますか?周りから非難されても彼に大丈夫ですか?って声をかけられますか?」




その時、リドウのファン達は何か言おうとしたけど、私はまたすぐに話す




「あと、貴女達の好意というものは……リドウさん自身の中身を見ているものではなく、彼の医者としての実績と外面だけから来ている気持ちだと思いました。あまり話した事の無いかっこいい人が気になるのはわかりますが、貴女達はそれに加え自分達のイメージを彼に押し付けていると思います!」

「な、何よ…自分の気持ちを押し付けているのは…この人達だって…」

「ええ。そう思うのは結局個人の自由です……だけど、貴女達はそれ以外に気に入らない女を潰すという不要な行為をしている。私を恨んで妬むのはそれ双等かそれ以上に気持ちがあると思っていたのですが…そんな半端な気持ちでリドウさんを好きになるのは、リドウさんにとって失礼じゃありませんか?」

「半端な気持ちですって…!?」




その言葉を聞いたリドウのファン達の1人が、私の胸ぐらに掴みかかった




「何を偉そうに!いきなり横から現れて取って行った泥棒猫のくせに!!」

「本当に……貴女はどれだけリドウさんを知っているつもりですか?」




更に私の言葉にキレたリドウのファンが「キィーーー!!」とヒステリックに激怒する


全く……この人とかがリドウの分史世界破壊を知ったらどんな顔をするんだろう?

どんな気持ちになるんだろう?


なんて胸ぐら掴まれながら思っていたけど、私自身も彼の全てを知ってるわけでもないのに………なんて偉そうな態度をしてしまった事に少し引け目を感じた

もう1人のリドウのファンの……コーヒー女も、私に攻撃しようとしたらユリウスさんのファン達に止められる

もう、しっちゃかめっちゃかで、いつ警察が来てもおかいしくない……
















「はい、そこまでだ」




そんな時、私達の間に背の高い赤い影が見えた




「リ…!」

「リドウ…さん…」




突如私達の前に現れた彼…リドウを見て思う

度々、この絶妙なタイミングで現れるなんて…少女マンガのヒロインの好きな人かよって苦笑した


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