方舟守護者から突きつけられた真実






侵入先は同じくディールで、街の人達に何か変わった事がないかとか他愛のない話を聞いていると、この世界もウプサーラ湖にある遺跡が発見されたと話題になっている

そして、その遺跡は崩れないでいるらしく、今度調査に入るという話を聞いて、そこが怪しいと思った私達はさっそくウプサーラ湖に向かう



その道中に三つ目の道標を見せてもらうと、たしかにそこには光輝く歯車が三つあり、詳しい話を聞くと…

そこの分史世界に向かう時にガイアスも同行して、ルドガーの力量を見極められたとか…

なるほど。二つの国の命運を背負っていると同等のルドガーにリーゼ・マクシアの国王として任せてもいいものか見たかったんだね。今ここに道標があるという事はガイアスはルドガーの覚悟や力を見て納得してくれただろうって思った

そして、時歪の因子であり道標の“ロンダウの虚塵”は正史世界では死亡しているウィンガルだったのを聞いて、そう言えばウィンガルの本名はリィン・ロンダウってのを思い出して詳しい話をすぐに理解できた

だとしたら…ガイアスにとっても分史世界を壊す重みを知ることが出来たんだなって思っていると、道の先に広い地形が見えてきた



足早に近づくと、でこぼこの乾いた地が広がっている

ウプサーラ湖…って名前だけど雨が降っているのに水は溜まらない。ノヴァの言う通り干上がってしまっているんだ




「ここ、昔は湖だったんですね」

「それが黒匣のせいでこうなった」

「だから、これ以上ひどくならないように、ジュードが源霊匣をつくろうとしてるんだよ」

「間に合えばいいけど」

「他人事みたいに。ミラが、どんな気持ちで―」

「知らないわよ。他人事だもの」




この枯れた湖を見て、他人事のように話したミラの態度に流石に少し苛立ちながら怒るレイアだけど、それでもミラは態度を変えずにレイアの話を聞かない

レイアは同じミラだからわかってくれるって思ったみたいだけど、彼女からすれば「こっちの自分はああしてこう思ったから、あなたもそう思っているでしょ?」みたいな他人の価値観を押し付けられて迷惑…に思っているかも

レイアの気持ちもわかるけど、ミラの気持ちも……お互い悪くないのにお互いを傷つけている。そう悲しく思っていると




「ジュードはきっと間に合わせます!ミラが、自分を犠牲にして与えてくれた時間なんだから」




話を聞いていたエリーゼがそうはっきりと答えた

その答えはレイアとミラ、どちらにも良い答えでジュードとミラ=マクスウェルを信じている意思を感じられる




「私も信じている。例え、すぐじゃなくても……エレンピオスが滅びる前には絶対にね」

「リル…」

「だからミラ、エレンピオスの枯渇を気にしてくれてありがとう。少し驚いたけど本当に無関心だったらあんな事言い出さないよね?でもこの希望は少しだけでも信じて」

「なっ…!別に気にしているわけじゃないわよ!私はただ…」

「そうだったんだ!そうとは気づかないでごめん!」

「いや、だから、私は…」




私の言葉を聞いてそう考え直したレイアはミラに謝って安心したように笑うと、ミラは勘違いだと言いたいけど言えない状態になった


そんな時、ルドガーが私に話す




「リル、助かった」

「何が?」

「話の雲行きが怪しくなったけど、なんとか悪い方へには回避出来たな」

「いや、私はただ馬鹿正直に思ったことを話しただけ。一番感謝しないといけないのはエリーゼだよ」




そう、エリーゼの言葉が無ければ、私もあんな風に言えなかったかも

ルドガーも私もエリーゼに感謝しながら遺跡を探していると、エルが何かを見つけたみたい




「なんか光った!」

「ノヴァさんの言ってた遺跡でしょうか?」




あちこち陥没している地形だけど、その中に洞窟みたいな入口に伸びている道があり、先から何やら光が見えた




「崩れたはずの遺跡が残っているなら、時歪の因子の確確率“高”だよね」

「ああ」

「いってみよう!」

「おーー!」




さっき出来た和やかな空気を壊したくないからって、ちょっと馬鹿すぎるかもしれないけどエルと同じようなテンションになって彼女と遺跡の方へ向かおうとした




その時、大きな音の雷が鳴り響く!




「きゃあーーー!」

「うわっ!!」




あまりに大きい音で不意に鳴ったものだから、私もエルも驚いて声をあげる

近くに落ちたみたいだけど、大丈夫かな?そう思って周りを見ると、エルはその場にしゃがんだままだった




「雷、怖いんだ」

「こ、こわくないですよーだ。ぐうぜん、おなかが痛くなっただけで…ひぅぅっ……!」

「素直になりなさいよ」

「ちがう!怖いのは雷じゃなくて、パパ……パパのこと思い出すから……」




エルはただ雷が怖いって思ったミラは、子どもらしいところもあるじゃん。ってちょっと得意気になってエルに素直になれって言うけど…

そうか。エルは父親と離れ離れになった時は、雷が鳴って雨が降る今みたいな悪天候だったのか…

たしかヘリオボーグでも雷が鳴った時に怖がっていたけど……その時も父親を思い出していたのかな?


すると、また雷が鳴り響いてエルは「もう、やだぁ〜〜っ」って言いながら泣きそうになる

この天気から逃げるために、何があるかわからないけど早く遺跡に行こう




そう言おうとした時に、また雷が鳴る!




「きゃーーー!」
「いや〜〜〜!」
「きゃああ〜!」




雷が鳴ったと同時に出た悲鳴は、数が多かった

それもそのはず。エルの近くにいたレイアとエリーゼが頭を隠すようにしゃがんで、同じように怖がっていたからだ




「みんな……?」

「雷って、超怖いよねー」

「はやく遺跡に入りましょう」




さっきまで平気そうにしていたのになんで?って思ったエルだけど、2人に促されて遺跡の方に先に走って行く

なるほど。怖がりはエルだけじゃないよって皆で怖がっている素振りを見せて恐怖を分散させようって作戦か

レイアとエリーゼ・ナイス!あと、ティポの悲鳴は脱力系だけど優しさが伝わるぜ!

なんて思いながら、走って遺跡に避難するエリーゼ達を見て、ぐっと親指を立てる私




「ミラ=マクスウェルは、あんな子たちに慕われてるのね…」




そんな私の横にミラが来て、そうどこか寂しそうな様子で言った

ミラ=マクスウェルを信じて、他人に優しく出来るエリーゼ達を見てどんな人か知りたくなったのかな?




「どうしたの?そのミラに会ってみたい?」

「そう…… ね。どこにいるのか知らないけど、会えるものなら」

「なんだ、羨ましいのか?」

「う、羨ましくなんかないわよ。事実を確認しただけ」




ルドガーに言われた言葉に怒って言い返すミラに「羨ましい気持ちも多少はあったのかな?可愛い一面もあるんだなぁ」って思ったけど、皆が見ているミラは自分じゃないって再確認したようにも見えて私も寂しくなった




「ミラ………」




どう声をかけたら良いのかわからない私は、思わずミラの左手を握る




「どうしたの?………あ、まさか貴女も雷怖いの?」

「えっ!あ、いや、これは……」

「ふふっ…いいわよ。遺跡に行くまでこのままでも」

「あっ、だからこれは…!」




なんだか、誤解されてしまったけど、ミラが笑ってくれてよかった……

そう思っていると、私の右側にルドガーが来た




「じゃあ、こっちは俺が」




そう言ってふざけながら笑うルドガーは私の空いていた左手を握る

あれ?背の高い2人に両手を繋がれているこの状態って……私は捕獲された宇宙人!?




「ええええ!?なんだこれ!」




客観的に見れば自分はすごく情けない姿だなって思いながら、私達も遺跡の中に入っていく



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