方舟守護者から突きつけられた真実




遺跡の中は最初は洞窟みたいな所だったけど、途中から機械が混じっているような壁や床が広がる空間………まるでラ○ュタの中とか他のテイルズで言えばデスティニーのダイクロフトみたいな

とにかくなんだかSF映画に出てきそうな技術が発展している不思議な所に出てきた




「すっご…」

「遺跡って、こんな感じだったんだ…!」

「確かに、黒匣とも精霊術とも違う文化ね」




よく周りを見ると、ここはまだ誰にも入られた事は無いはずなのに機械が動いているのに気付く




「ここ、まだ生きてます!」

「気を付けて。防衛機構があっても不思議じゃないわ」




ここで私達は、この遺跡は自動で動いているのではないか?って予想して、慎重に進もうとした




「けど、ここなら雷も聞こえないねー」




ティポの一言でエルが怖がっていないのを確認して、遺跡に入って正解だなって思っていると、エルは歯切れの悪い返事をする




「う、うん……でも、エルは弱虫じゃないよ?」

「別に弱虫でもいいだろ」

「よくない!弱虫だと、ガンバレなくてカナンの地に行けないでしょ」

「そういうの“根性論”って言うのよ」

「子どもに、むずかしいこといっても、わかんないですー」

「まぁいいわ…嫌いじゃないし、そういう強がり」




いい加減素直になりなよ。と微笑ましく見てるミラとルドガーに変わらずムキになるエルは「強がりでもありませんー!」ってそっぽを向いた





「でも、エルは偉いよ。泣かないで頑張っているもの」




そこに私は同調してそう言うと、エルは少し疑うような目で私を見た




「本当にそう思う?」

「うん」

「わかっていれば、いいけど」

「だけど、無理はしないでね?」




わかってもらえてすぐに機嫌を戻したエルは先に進むと「一人じゃ危ない」ってルドガーが追いかけて一緒に歩く

その後ろで歩こうとした私にレイアとエリーゼが来た




「リルも同じ事を思っていたよね?」

「ずっと親と離れている八歳の女の子が泣かないなんて…」

「うん。ましてや怖い敵に襲われ、父親と離れ離れになってしまって安否がわからないってなれば、毎日不安でいつ泣いてもおかしくないのに……」




そう、私もずっと思っていた

さっきみたいに怖い事があったり、夜一人の時とかは父親の事を思い出して泣いていないか?って思っていたけど、全然そんな素振りも見せなくて、まるでそこだけは私達とそんなに年が離れていない子みたいだなって……


ああ、そう言えばリドウも私をはじめ他人にあまり弱いところを見せないな

子どものうちに命に関わる大きなものを背負い込むと、あんな風になるのかな?って思うと、なんだか切なくて抱き締めたくなる……


あ、エルをね。リドウは……やりたいような、やりたくなような。今はちょっと勇気無いかも

なんて思っていると、エルが何かに気付いて足を止めて周りを見た




「あー、ルルがいない!」




その言葉で皆も周りを見てルルがいないのに気付く




「うわ、ホントだ!」

「分史世界に入った時、ルル、いましたっけ?」

「どうだったかな……?」

「適当……」



エリーゼの問いに曖昧に答えるルドガー。……ちゃんと見てなかったな。その様子にミラが呆れる




「もー、しっかり見ててよ!ルドガーん家の猫でしょ!…リルは見なかった?」

「あ、うん。あのねルルは……」




もしかしたら、正史世界のディールで友達の猫と一緒じゃないかな?って私が見たことを話そうとしたら…





「ナ゛ァ……」





なんだかダミ声みたいな猫の鳴き声が聞こえたと思って、聞こえた方を向くと


特徴ある灰色の手足と耳、そして緑の瞳で大きな体の猫…間違いなくルルがそこにいた




「ルル!」

「(あれ?やっぱり私達について来たのかな?)」




だとしても、いつの間に?けど、たしかに私達から離れたのを見たはず…

エルはルルを見つけて安心して駆け寄ると、いつものように抱っこする




「ナ゛ァ〜!」

「うにゃー!?どうしたのー??」




抱っこされたルルは、嫌そうな様子でエルに猫パンチを繰り出してきた

あれ?いつもは抱っこされると喜んでいたけど…ましてやルルはエルを嫌っていないのに

なんだか、姿はルルだけどルルじゃないように思えきた



その時





「また来たのか、クルスニクの一族よ……」






突然、遺跡中にそんな声が響き、驚いて声の主を探したけど見当たらない

もしかして…この遺跡の機械の意思?




「だ、だれ!?」

「私はオーディーン。時の方舟トールの管理システムだ」

「方舟って……!」

「カナンの道標のひとつ」

「いかにも」




声は私達の言葉を肯定する




「知ってるの?自分が道標だって」

「それだけではなく、お前たちの弱点も理解している。これは忠告だ。おとなしく立ち去ってくれ――」

「そんな!なんで…!?」




私の質問には答えないままオーディーンと名乗った声は消え、遺跡にはまた静寂な空気が流れる




「どういうことでしょう」

「なんか怖いヤツっぽいー」

「会ってみればわかるわ。奥へ進みましょう」




誰よりも早く歩き出して先頭をきるミラ。何も考えずに会ってから対処する考えは無謀って言いたいけど…




「こういうとこは、やっぱりミラだね」

「ですね」




レイアとエリーゼが言うように、精霊の主として何も恐れるものはないミラ=マクスウェルの意思は一緒なんだなぁって思ってしまい、無謀が無謀らしくない頼もしさを感じた


私達もミラに遅れないように慎重に遺跡の奥を目指す


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