目指せ一番!
ルドガー達が持つ3つ目のカナンの道標を確認して、私も同行で4つ目も手に入れたのをリドウやビズリー社長に報告した
「ご苦労だったな。リル」
「はい、これで後は最後一つですよね。その分史世界について情報はありませんか?」
「今、対策室が観測しているが……まだだ」
「そうですか…」
あと一つでカナンの地に行ける……そこにはクルスニク一族の審判を受ける所でもあり、エルが父親と約束して行かなければならない所
そして……私が元の世界に帰るための重要な場所でもある
ここまで来るのに長く困難が多々あったから、生きてこうして後一つって言っているのが奇跡だと思う
「焦んな。お前はドジを踏みやすいから慎重に行け」
「前よりは慎重になったんですけど〜」
リドウに額をつつかれながら言われて、私は抵抗していると
ポケットから側だけの懐中時計が床に落ちてカチャンと音が鳴った
「あ!大変………んん!?」
懐中時計の中が開いて結晶が転がっているのを見て「言っているそばからこんな事して……」って自分のドジに呆れながら急いで拾おうとしたら、前に見た時より結晶の花弁の数が少なく全体的に小さく見えて心臓がはね上がった
「(いや、まさか…そんなはずは……)」
拾ってみると……やっぱり最初の時よりも結晶が小さくなっていた!
前から気になっていたけど……い、今落としたので壊してしまったか!?けど、破片も無いしなんで?
何も言わないまま急いで懐中時計の中にしまおうとしたら、私の様子や動きがおかしかったのかリドウが私から無理に結晶を奪ってじっと見た
「これ、こんなサイズだったか?」
「(ヤバい!バレた!)」
「おい、リル。まさか今ので……」
「うわああっ!ごめんなさいごめんなさい!そんな粗末に扱ったわけじゃないんです!本当に……」
たしかに大事にしていたはずなのにって納得いかなかったけど、床に落としたのと明らか花弁が少なくなっているのは紛れもなく私が壊した証拠だ。絶対に許してはもらえないだろうけど、すぐに謝る
「そう言えば前に小さく見えように思っていたが、その時からか?何やってんだお前!これは…」
「いや、待てリドウ」
これからリドウに怒られる!って、思っていたらビズリー社長はそれを一旦止めて私に言った
「それは……リル自身の霊力野ではどうにも出来ない術を結晶が代わりに応えたんだろう」
「え、代わりに応えたって…」
「ああ。何かピンチになった時、助けを請う願いを念じた時がなかったか?」
「ピンチ…助けてって願う…?」
そう言われた時に時が逆流するように、前に起こった出来事を思い出す
初めは列車テロでアスコルドにぶつかる前…
次に分史キジル海瀑で、呪術に苦しむエルを助けようとするエリーゼの回復…
そして、オーディーンの技を封じた…
たしかに、あれは助けてとか、何とかしたいって念じた…!
けど、アルクノアに囲まれた時も分史リドウと戦った時にも、助けて!とか思ったのに…それはビズリー社長の言う自身の霊力野で足りるものだったからか
…そう言えば、何回か何かが砕ける音がしたけど…あれが結晶の花弁が砕ける音?
色々思うことはあったが、とりあえず今は心当たりがある事を答えるしかない
「…ありました」
「そうか……だが、列車テロの時は私の指示。そして、それ以外も知らなかったために起こってしまった事だから仕方ない。しかし、これからはなるべく自分の力量に合うか合わないか判断して結晶を壊さずに使わないでくれ」
「は…はい」
「ったく、それが無いと帰られないって泣くのはお前だからな?」
「わ、わかってますよ…」
結局はリドウに怒られてしまったけど、ビズリー社長のおかげで壊れた原因がわかった
今のが無ければ知らずに使いまくって、無くなってから気づくっていう最悪のパターンになっていたかもしれない
「報告は終わったか?なら、次に連絡くるまでルドガー君の借金返済を手伝いに行け」
「はーい……って、まだ行動を縛るんですか?そろそろ……」
「いいから、行け」
「……わかりましたよぅ」
半ば強引にリドウから命じられて社長室から出ていく
…全く、一体どんな意図で借金背負わせているのか怪しくなってきたぞ
あ。怪しいと言うか不明なのはやっぱりユリウスさんなんだけどね。あれから姿見せないどころか、目撃情報すらこない。逃亡罪もプラスされて捕まったら次が無いせいだからかな?
ユリウスさんと言い、リドウと言い……まるでルドガーを間にして騙し合いしてるみたい
「(ああ〜そう考えると、気分下がるな。わかりきった事じゃないのに決めつけは良くない)」
私はここで考えすぎな予想を止め、ルドガー達と合流しようと連絡をした