平日と呼ばれる五日間はどうしても暇だ
何故なら翔君とユキちゃんとユウタ君は学校で夕方まで帰ってこないから。いや、翔君はもっと遅いな。ロードに乗って速くなるように練習してて夜近くじゃないと帰ってこないな
土・日と呼ばれる二日間はたまに部活に行く事はあるけど、その日は一緒に過ごせる時間が長いから退屈しない
で、今日は平日だから皆は学校。俺は部屋で横になっているのも暇すぎるから、居間でテレビを見に行く
するとおばさんの「あ。あかん!」って声が聞こえてきて何があったのか聞いた
「どうしたんですか?」
「翔君、お弁当忘れて行ってしまったんや!」
どうやら翔君が今朝家を出るときに昼飯を忘れたらしく、おばさんがこれから翔君の通う高校に届けに行くと慌てた様子だ
「ユーリィちゃん、お昼遅くなるかもしれんけど堪忍してなぁ〜!」
「あの、もしよかったら……俺が行って来ましょうか?」
そう言うと、おばさんが驚いて俺に本当に行ってくれるのか確認してきた
「えっ!?翔君の高校わかるん?」
「道はだいたいわかります」
「ほんま?あんまり無理したらあかんで?」
「大丈夫ですよ」
この届けるのを引き受けたのは二つの理由から
一つはおばさんは今日お昼食べたら、すぐにパートという短時間の仕事をしに近くのスーパーに行かなければならない。それを考えるとそのパートに行く前に疲れてしまえば大変だろうって思ったのと
二つ目の翔君の高校に行くんだから普段翔君は其処でどうしているか見れるといいなぁって言う好奇心から引き受けたかった
「じゃあ、お願いしても…ええ?」
「はい」
「おおきにぃ〜!夜のご飯はユーリィちゃんの食べたいの作るで!」
「いえいえ、そんな……でも、良いんでしたらオムライスがいいなぁ〜なんて」
感謝されてリクエストを聞かれた俺は、遠慮しながらも食べたいものはオムライスとさり気に言って出掛ける準備をする
「そう言えば、ユーリィちゃんは携帯無いんやよな」
「はい……お恥ずかしながら」
おばさんからの言葉に少し苦笑しながら答える。携帯というのは前に翔君から実際に見せて教えてもらったんだが、遠くにいる人とコンタクトを取ったり出来る小さな機械だ
それを見た時に壁外調査とかで是非とも使ってみたい。これなら信煙弾より早く兵団全員に情報が伝わるかもなって思ったんだけど…
なんで、おばさんは今その携帯の事を聞いてきたんだろう?
「よかったら、おばさんの持って行って」
「え!?い、いいんですか?」
「ええよ。あんま使わんし、家の電話があるから」
「わ、わかりました…ありがたく使わせて頂きます…!」
まさかここで携帯電話を持たせられると思っていなかった俺は、最強の兵器を持たせられたような高揚感と絶対に壊さないようにしなければって言うプレッシャーが心にきた
迷ったらこれで家の方に電話をしてと言われ、何回か使い方を確認した後に翔君の昼飯を持って玄関に行く
「ほんま気ぃつけてなぁ〜!」
「はい。行ってきます(これより、第一回単独・京都伏見高校行きの遠征に……出陣!!)」
おばさんに見送られて口では普通に行ってきますを言ったけど、心の中では壁外調査に行く時の団長の掛け声風に大袈裟な行ってきますをした俺は…
翔君のいる高校に向かった