「ファ〜……なんでこんな…」
「いいじゃん!いつも朝晩一緒に食べてるんだし!」
俺が言ったわがままとは行く前から考えていた事で、時間的に高校に着いたら丁度昼飯になるから、よければ一緒に食べれたらいいなぁってやつ
後に石垣君達から聞いたんだけど、たしかに職員に黙って入って来たのは不法侵入になるかもしれないけど在学生の関係者だし、自分達が見て不振人物じゃないから見逃してくれると言う事。
そして、バレなきゃ問題ないとして普段翔君達が部活で使っている高校の外にある建物に案内してくれて、そこで翔君と昼飯を食べる事になった
「………で」
「ん?」
「なんでザク共もおるんや」
そこには俺と翔君だけじゃなく石垣君達もいる
俺は一度石垣君とはゆっくり話したかったし、他の二人も翔君の知り合いみたいだから多勢で話せるってなれば色んな事が聞けるかもしれないから丁度いいし楽しそう
だけど翔君はなんだか嫌そう。買い物の時に石垣君と会った時と同じく
「ええやないか。俺一度その子と話してみたかったんや」
「俺もそう思っているんだけど……だめ?」
再度良いか翔君に確認すると「……勝手にしたらええわ」って仕方なく折れたように言う
あ〜後から文句言いそうだけど、良いならいいっか。そう思ってありがとうって俺は言うけど、翔君の許可を聞いた石垣君達は驚く
「きょ、今日はやけに素直やな……御堂筋」
「君付けろや!」
「す、すまん……御堂筋…君」
「あー!わかった!実は御堂筋…君はその子が好きなんやろ!?」
「えっ?」
「ファ!?」
石垣君が翔君に頬を掴まれて喋れないでいると、肩くらいの長さの髪で前髪は真ん中分けにしている男の子が閃いたってそう大声で言う
「だから、俺達と一緒なのが嫌やったんやな!石やん。俺達邪魔みた……」
「ええ加減にせぇやっ!!」
「い゛だっ!?」
俺もそろそろ真ん中分け君に「翔君は俺を好きなわけないよ」って言おうとしたら、翔君が容赦なくぶん殴って、それ以上言わせないように強制終了させた
「この子なんて単なる知り合い程度やから君らが思ってるキモい感情なんてあらへん。僕は君らがいらん事せぇへんように見張ってるだけや。勘違いするんやないで」
そう早々と喋った翔君の真っ黒い目は俺達を見て、これ以上何も言わせないぞってオーラを出している
それを感じ取った俺は頷き石垣君達は「お、おん…」ってわかったと返事したけど、そこまでムキにならなくても……って言いたいけどここは我慢しよう。そう思った時に部室の入り口が勢いよく開く!
「あ、御堂筋君!それに石垣さん達も!」
入ってきたのは明るい茶髪で俺と同じくらいの身長の男の子と、そばかすのある顔に黒髪の男の子だった
ここに来て翔君や石垣君達の名前を呼んだって事は、この子達も自転車競技部の部員だろうけど…
「あれ?」
「ん……誰すか。その子……」
俺は見つかってしまい、また秘密にしてくれと言わなければならない人が増えてしまった
――――――
そうこうしながら食事がスタートして俺は行く途中のコンビニで買ったのを食べながら、改めて石垣君達と話をして色々聞いた
他の四人の名前は井原、辻、水田、山口と分かり、その水田君から“昼飯を食べながら買ったばかりの漫画を読もうとしたけど、先生に見つかってしまうかもしれないから部室に来たところ俺達がいて驚いた”との事情を聞いて納得した
偶然だけど良いタイミングだったかも
「えっと、じゃあ…」
「ああ。俺はまだ名乗ってなかったね……ユーリィって言います。訳あって翔君ところにお世話になってるの」
「お世話にって事は一緒に暮らしているん?」
「うん。そうだよ」
辻君の質問にそう答えると、井原君が「マジで!?おいおい!ヤバいんやないか?」って一人変な方で考えて興奮している様子だ
「黙りや井原君。さっきも言うたやろ。なんの感情も無いって。それにユーリィちゃんは単なる知り合い……つまり親戚の子や」
翔君がそう言って、全く面識のない男女が一つ屋根の下って考えを無くした
ふむ……そう言うのも思春期達の妄想材料になるのはどの世界も共通だな。そう言えば、妹の同期でも両親を亡くした女の子が両親の知り合いである家族と暮らしていたんだけど、そこには同い年の男の子がいて幼なじみになったって聞いたな……
「いやぁ、にしても御堂筋君の親戚に外国人の可愛い女の子がいるなんて羨ましいっすよ!」
「ほうか?毎日うるさいで」
「またまた〜妹ができたみたいって思わないんか?この前だって一緒に買い物来ていて、御堂筋…君より小さいのにしっかりした子やないか」
水田君に羨ましいがられた翔君がそんな事無いみたいな事を言うと、石垣君が照れてて言ってんのか?って笑いながら聞く
石垣君は翔君から軽い暴力をされていながら何だかんだで懲りずに反論をするんだなぁって思ったけど、今一番に思うのはそこじゃない
「い、妹……?」
「?」
「あんなぁ、僕も信じがたいんやけど、ユーリィちゃんは僕より年上らしいで」
そう。石垣君は俺を妹みたいって翔君よりも年下に見た事だ
俺から翔君より年上だよって言おうとしたら、代わりに翔君が言ってくれて皆は「え…!?」って驚く
「そ、そうやったんか!」
「そうなれば、俺らと同じくらいか?」
「俺らくらいって、えっと…」
「水田君と山口君は17歳。石垣君、井原君、辻君が18歳や」
ご丁寧に翔君から教えてもらって俺は驚いたと同時になんだか申し訳ない気持ちになる
「んと……俺は18歳以上です」
そう返した言葉に翔君も加わった皆が目を見開いて更に驚き「えええっ!!?」って声が部室を包んだ
「じゅ、18歳以上って…ほんまなん!?」
「君なぁ。そんなんわかり易い嘘付くアホとは思わんかったで」
驚く石垣君の横からにゅっと呆れた顔を出す翔君
「本当だよ!」
「証拠は?」
「無いけど、いずれは証明してみせるさ!」
どうやったら証明できるかわからないけど、いずれ確実な方法がわかるだろうって希望を持ちながらそう言う
翔君は前よりも疑わしい目で見続けて、他の皆はとりあえず本人がそう言っているからそう言う事にしようって思ったみたい
うぅ……その証明書なるものはどうやって手に入れる事が出来るのか?って思っていると、時計を見た山口君が「あ、そろそろ昼休み終わりますね」って言う
「ああ。ほんまや」
「じゃあ僕らは戻るから、ユーリィちゃんも……」
「この後何があるの?」
翔君が言っている最中だけど、昼休みが終わると何があるのか気になって聞く
「普通に午後の授業があんねん」
「午後のじゅぎょう?……それが終われば帰るの?」
「んなわけないやろ。それが終わったら部活や」
「部活…!?」
まるで流すように俺の質問に淡々と答えてさっさと行こうとしているみたいだけど、部活って言葉を聞いてある期待をした
「部活に来るなら、俺ここで待ってる!」
「はぁ?」
「ロードに乗ってる翔君達を見たいから」
そう、俺が期待してるのは、実際の道をロードで走る翔君の姿が見れるかもしれないって事
家の車庫でやる単独練習と違って、IHでやる形により近いからすごく気になる
しかし、それを話したら翔君は眉間に皺を寄せて嫌な顔をした
「見たってなんも無いで。さっさと帰りぃ」
「え〜!いいじゃん」
昼飯を一緒に食べてくれるように頼んだ時と違ってなかなか首を縦に振らない。諦めずに何度もお願いしていると石垣君とかは「別にええと思うんやけど」って言ってくれるけど、更に嫌な顔してきっぱり断る
「邪魔が入れば君ら集中できんやろ。只でさえ最近ちゃんと練習のメニュー十分にこなしてへんのに何言うてんや。……そんな訳で、君はもう帰りぃ」
最後に石垣君達に最近の活動について厳しく言って、俺に再度帰れって言って部室から出て行った
「……ごめん。なんか俺がいらない事言ったせいで、怒らせちゃったみたいだね」
「いや、ユーリィさんのせいや無いですよ」
「そうかな……って、あれ?なんで敬語?さっきまでタメ口だったのに」
「俺らより年上って聞いたもんで」
「信じてくれるの!?わ〜翔君よりも素直で可愛いな!」
てっきり翔君同様に疑っているって思っていたけど、信じてくれる人はちゃんといるんだなぁ〜
「まぁ、とりあえず……色々お騒がせしちゃったけど、話とかしてくれてありがとう!」
「はい。ユーリィさんしばらく御堂筋ん所におるんすよね?また会えればもっと話したいです」
「俺も!俺もー!あ、でも次は御堂筋には内緒で来てくれませんか?」
「井原、先生や御堂筋に見つかったら怒られるで…」
「んな事言ったって辻〜。ユーリィさんなら家での御堂筋を見てて、あいつから聞けないプライベートな事聞けるかもしれないで」
「そ、それは気になりますね……!もしかしたら意外に可愛いぬいぐるみを持っていたり……なんて!」
「いや、ノブ。それはあり得へんやろ」
皆、翔君について色合い知りたがっているけど、本人が話さないから俺が勝手に言う権利はない。あまり重要なプライベートは話せないけど、ちょっとした事ならこっそり教えてあげれるかもって言うと、井原君と水田君は目を輝かせながら頷いきその様子を石垣君、辻君、山口君は呆れて「ほどほどにしぃやぁ」って苦笑いしながら言う
いやぁ、世界は違えど俺より年下の子はどの子もパワーが溢れていて輝かしいね〜
なんて思いながら石垣君達にまたお礼を言って校舎に戻って行くのを見送った後、俺も帰るために片付けをして誰にも見つからないように高校の敷地内から出て行く