デートな1日(観光地巡り)



駅に着いた俺達は丁度来ていた電車に周りの人の流れに合わせてサッと中に入ると、椅子には座らず二人で天井にぶら下がっている吊革に掴まるが、俺は翔君みたいに立って掴まる姿ではなく、まるで必死に掴まって吊革と一緒にぶら下がる姿になってしまった




「ププッまるで猿やな」

「え?さるって……」




翔君は俺のそんな姿にいつもみたいに馬鹿にして笑うけど“さる”って何なのかわからなくて聞こうとしたその時、電車のドアが閉まってゆっくり発車する

発車時の感覚が初めてで、その反動で俺は吊革から手を離してしまい「うわああ!?」って声を上げながら翔君の方によろけた

まずい、翔君にぶつかる!そう思っていたら…


翔君が全身と空いている方の腕で俺を受け止めて、一緒によろけながらも、転ばずに立つ事が出来た




「あ……」

「何しとんのや。初めてやからって、いきなり大声出してびっくりしたわ」




そう呆れながら言う彼は、俺がバランスを保っているのを確認して「さっさと掴まりぃ」って、吊革を掴むように言った

俺はまさか受け止めてくれるなんて……って驚きながらも転ばないように翔君から離れてまた吊革に掴まり、さっきのようにはならないぞ!って目的地の駅まで力んだ



















「な、な……なんて、なんて高い建物なんだ!!」




ここで降りるでって翔君に言われて電車から降りて広すぎる駅を出ると………目の前に高くて長い建物が一本立ちしていた




「じゃあ、まずは……あれやな」

「おっ、あの高いのに行くのか……!?」




俺があれは何なのかって聞く前に行こうかって向かう翔君に、置いていかれないようについて歩く




「(にしても、俺の希望を聞いてくれるんだ……)」












――――――――――――

















高い建物は京都タワーと言って高さは131mで、エレベーターで上まで行けるらしい。その高さを聞いて俺の世界の壁よりも高いなんて……って関心しながらタワーの下に着いて見上げると、まるで今にも倒れてきそうで少し怖い




「あ……あの上まで行けるのか?」

「てっぺんには行かれへん。行けるんはあの展望台って言う出っ張ったとこまでや」




翔君が指差す方を見て、そこでもかなりの高さだろうなぁって思いながらタワー内に入ると、沢山の観光客がお土産を買っていたり、エレベーター前で列を作っていた

俺達も展望台まで行くチケットを買って並んで「これ登って崩れたりしない?」「崩れたら君を囮にして逃げるわ」なんて話しをしながら待つ

り、立体起動持っくれば、よかったかな……?












順番が来てエレベーターに乗るとデパートとかと違って静かに速く登っていくから、体が下に押し付けられる感覚と耳が少しキーンとなったのに驚いて、思わずキュッと目を閉じて翔君の腕にしがみついてしまう

鬱陶しがられるのはわかっているけど、なんか怖いからこのままでいさせてって言うように強めに掴んでいると、翔君は振り払うどころか嫌な顔しないでいた

あれ?本当に意外……って思っていたら、展望台に着いてドアが開く



すると、そこは……




大きな窓ガラスの向こうに良い天気の空とその下に建物が小さく沢山見えていた




「おぉ〜!本当に高いな…!!」

「なんや。あの物騒な物で飛び回っと るのに、高いとこが珍しいん?」

「立体起動は建物とか利用しないと高くは飛べないし、壁内で高い建物って行ったらその50mの壁くらいだから、それよりも高い所に立った事無いんだ」




そう言いながら俺は興奮気味だけど、ゆっくり展望台を回るように館内と外の市内を見る




「ほう……ははっ!見ろ、人がゴミの様だー!」

「うっさいわぁ。今時のガキも言わん事よう言えるわ……キモッ」

「言葉を慎みたまえ。君はラピュ…」

「黙りぃや」

「ふ、ふひふぁせぅ…(す、すみません…)」




某ジブリ作品に出てくるキャラのモノマネをしていたら翔君に頬を掴まれて強制終了させられた

もうしないからって言って離してもらうと、フロア内に変な物が何本か立っているのが見えて近付いてみる




「これは何だ?」

「双眼鏡。こっから遠くのもんが見えるで」




それを聞いて見たくなった俺は、早速お金を入れて中を覗いた

すると、さっき小さく見えていた建物がグンッと近く見える




「おおおっ!こんな機械があるのか!すげぇ………あ、久屋家とか京都伏見高校見えないかな?」

「見えるわけないやろ。ここは伏見区やない」

「あははっ!だよね〜」




軽い冗談を言ってみると、翔君は呆れながらもツッコんでくれた。それを聞いて笑っていると、双眼鏡のタイムリミットが来て目の前が暗くなった




「本当すげぇよ……こういうのがあれば、壁外調査でかなり役に立ってもっと討伐したり、先に進めたり出来るのに」

「君はいつでも何処でも、そればっかやなぁ」

「仕方ないじゃないか。俺は兵士だし」

「デートなんやからムードあるような事でも言ったらええのに。ほんま可愛げないわぁ」

「可愛げ無くて悪かったな。じゃあ翔君が何かムードある事言ってよ」

「ファ?僕がそんなキモい事言えるわけ無いやろ?」

「ええ〜?人に言っておきながら、それ?」




何だかんだ話ながら俺達はしばらく展望台で外を見てから次の観光スポットに行った