インターハイ二日目。一日目のゴールした選手が先頭に来る。箱根学園、千葉総北、そして…京都伏見
「翔君!皆!思いっきり飛んでこいよ」
「ファ〜もう、うっさいなぁ。それ昨日から聞かされとるから、耳にたこが出来そうや」
「だってこの調子で行ってほしくて……って、あ!そうだ!何処の高校か知らねぇけど、緑色のジャージを来た赤い髪の男には気をつけて……」
「それも昨日聞いたわ……もう、ええから離れてくれへん?」
「まぁ御堂筋。せっかく応援と忠告しに来とってくれとるからありがたいやろ?ありがとうごさいますユーリィさん」
翔君の言う昨日からってのは……あの後、京都伏見高校の待機するテントに行って皆に会って実は応援しに来てるのをカミングアウトして、翔君に何度もおめでとうや二日目の応援を言って、あの緑色のジャージの男についつて話した事
おめでとうや応援を言っても予想通りやって聞かないし、緑色のジャージの男に注意してって言っても「ほうか」って軽く聞くだけ……だから今日も改めて言うけど、やっぱ昨日と同じ反応。少し心配だけど昨日一位になった実力を信じてもうこれ以上は言わない事にした
その時に石垣達は俺はまだ翔君と喧嘩中だと思っていたらしく、俺が来たのを知って安心したって聞いて心配させた事に謝ると、もうすぐスタートするアナウンスを聞こえてまた最後に一言応援して端に避けた。ここでまた一つ安心感を得た京都伏見は今………風のようにゴールを目指して走った!
「(行け!羽ばたくんだ……翔君!)」
俺も昨日のあの感動がまだ頭から離れられずにいて、今日も昨日みたいになるんだろうって事しか考えられない…………そう。今日になって、この後大変な事が起こるなんて俺も翔君にもわからなかった
二日目の京都伏見の…翔君の走りはすごい。同じく走る箱根学園や総北を抜いて一番先になっている
この日の一番リザルトを取るために箱根学園の新開って男と勝負になったけど、見事翔君がそれを取った!その発表を聞いて安心しきった俺はこのままゴールも貰ったなって思っていた
だけど
「発表します!二日目ゴール一位は……箱根学園!二位は千葉総北!三位は京都伏見!」
「さ、三位…!?」
俺はタイムを見て昨日と同じく二校と争っていたけど、わずかな差で抜かされたのを知っておしいって悔しく思う
けど明日で全てが決まるから、今日が三位でも大丈夫。それよりも三位でもすごいなって改めて思っていると、一緒に見ていた久屋家が顔を青くしている
「翔君が……負けた……」
「あかん…これは、あかん…!」
「え?あ、あの……どうしたんですか?」
俺はてっきり久屋家からも翔君は一位を取らなくてはならないって圧力をしてるのか!?って驚いて思って聞くと…
「心配なんや。翔君が自信無くして明日参加せえへんかもって……」
「え……?」
そんな。翔君がまさか……いながら久屋家の皆を見て、これは前にもあった事でわかっている様子だと悟った俺も心配になって翔君達が戻ってくるのを待った
表彰式には……翔君は来なかった。あの後詳しくおばさん達から話を聞くと、翔君は昔一回だけ一位になれなかった時があり、次で優勝が決まるからこれからだってのに、そのレースには途中棄権して帰ってから部屋に引き込もってしまったらしい
久屋家の皆で励ましてもなかなか立ち直れなく、しばらくしてからまた別の大会に参加して一位になって調子を戻したみたいだけど……今、まさにその時と同じ状況になってしまい、翔君はショックで何もかも投げ出していないか心配しながら翔君のいない表彰式を見る
「(翔君……!)」
俺は表彰式が終わったら、すぐに翔君の元へ行こう。たとえ来るなって言われても、翔君に確認したい事がある……そう強く思った