この世界に来て三日後、そう言えば俺の衣服についての確保がまだなのに気付いて近くの店に買い物しに行こうとおばさんに言われて、俺は一足先に玄関でおばさんと一緒に来てくれるユキちゃんを待っていた
するとそこへ、翔君が来て何をしているのか聞いてきて買い物の事を話すと少し考えてから「…僕も行くわ」って言い出す。なんだ、急に優しくなって……もしかして
「もしかして…か弱い女だけじゃ心配ってやつか?」
「ちゃうわアホ。お前が変な行動せえへんか見張るんや」
ふざけて聞いてみると、俺が何か問題を起こさないか気になったためだと
なんだよ、まるで人を野蛮人みたいに言ってさ……まぁたしかに俺の事情を知っているのは翔君しかいないから、居てくれたら助かるところもあるけど
「大丈夫だぞ。俺は大人しくするよ?」
「ファ〜?ほんまか?昨日からずっとギャアギャア騷いどったのは誰やっけ?」
「あれはこっちに来たばかりだったからだ。今は大分慣れてきて治まっているぞ…本当に大丈夫だって!俺そんなガキじゃないし」
「ガキやない言うても、僕より年下やろ?」
「………お前何歳だ?」
「15やけど」
「……ふっ、俺が年上じゃないか」
「はぁぁ!?嘘やろ?」
「いや、嘘じゃない」
ニヤリと笑ってどうだって威張るような態度でいると翔君は「証拠は?」って聞いてきた
「証拠?あるわけないだろ」
「じゃあ、信じないわ」
「…負け惜しみか?」
「ちゃうわ」
「まぁ、いい。お姉さんらしく行動して証明してみせるさ」
そう言うと翔君はまるで何もかも疑うようなジト目で適当に流した
よし、ならやってやろうじゃないか!って思っていると、ユキちゃんとおばさんが来て翔君も同行するのを賛成して……
俺は新世界に第一歩を踏み出した
外にも見たことない物だらけだって来た時からわかっていたけど…これはすごいな
前に少し任務の同行で行った貴族達の町……ウォール・シーナ内地みたいにしっかりした造りで出来ている。何より驚いたのは俺達が歩いている道の横にある大きな道に箱に車輪が付いたような機械が高速で何台も通っていた事だ
俺はそれを見て「うおー!?あれは何だ!?」って翔君に聞くと“くるま”と言う人が自分で操って乗る移動手段らしい
すごいな……機械技術も発展するとあんなのが作れるんだ!って感動してると、また落ち着きがなかったのか翔君に頭を掴まれて静止させられる
「なぁにが大人しくするんやて?ガキみたいにはしゃいで…みっともないわ」
「だって、くるまとやらは初めて見たからさ〜…」
そうしながら翔君達が住んでいる伏見区にある“い○ん・もーる”とやらの大きな店に着く
つーか………これが店なのか!!?疑いながら中に入ると、食品から衣類、日用品までの沢山の物が売られていて色んなのがあるからこんなに大きいんだって感動した
「最初にユーリィちゃんの服見に行こか」
そうおばさんとユキちゃんに案内されて“えすかれーたー”という自動で動く階段に乗り上の階に行くと、俺の世界では見たことないデザインの女性服が売られている売り場に来た
“まねきん”と言う人間と同じ等身サイズの人形に着させている服の組み合せも見たことないものだったが可愛いと思った
「なぁなぁ!これなんてどうやろ?」
ユキちゃんが持ってきたのは、襟にキラキラしたビーズの付いた白いブラウスに赤いチェックの短めのスカートを持ってくる。たしかに服自体は可愛いけど……
「ん〜……」
「どうしたん?気に入らんかった?」
「いや、俺に合うかなぁって」
「じゃあ試着してみたら?」
そう言われて試着室で試しに着てみると、おばさんとユキちゃんから「似合う!」って言ってくれて素直に嬉しかった
だけど、なんかな……動きやすくてゆったりしてるのもいいな。そう考えながら店内を見回して、あるパーカーとTシャツが目に留まる
「これも…いいな」
パーカーには翼が付いてて俺の所属する調査兵団のシンボルみたいで格好いい
Tシャツには何か見たことない字が書いてあるけど、なかなか良い…おばさんに見せると「部屋着も必要やし、ええと思うよ」って賛成してくれてスカートと一緒に篭に入れてくれた
すると、さっきのスカートを履いた時には見向きもしないで周りばかりを見ていた翔君が篭に入ったパーカーとTシャツを見ている
「どうした?翔君もこれ格好いいって思った?」
「……いや、小学生みたいになるんだなって思うただけや」
「しょうがくせい…?」
「まぁ、お前にはお似合いやで。プププッ」
俺の知らない単語を使ったが、目を細めて口に手を当てて笑っているからこれは馬鹿にしてるな。うん。
まだ意味は知らないから、わかった時にまた同じような事を言われたら言い返してやるぞ…!
それでも、気に入ったものなのでなんと言われようが満足だ。そこで下着も買ってもらい、次は食品を買いに一階に降りた