紫色の執念
俺は今日も色々なクエストをこなしていた
アドリビトムに入った時からずっとやり続けている事だし大変な事もあるけど、とてもやり甲斐のある仕事だから全然苦じゃなかった
だけど、ここ最近は嫌な苦戦をする
毎回じゃなくて本当にたまにだけど具体的にどうなのかと言ったら………ある日の指定アイテムをダンジョンから見つけて取ってきてほしいというクエストで、そのアイテムの入ってる宝箱を見つけて近寄ろうとしたら、上から瓦礫が落ちてきて通路を塞がれて遠回りで取ったり
またある日では、街中で依頼主を探そうとしたらなかなか見つからなくて、ようやく見つけた時には「アドリビトムの仲間の人から待ち合わせ場所の変更の連絡がきた」とか訳のわからない事を言われたり
そして先日の魔物から取れるアイテム収得の依頼で行ってみると、どの魔物もそのアイテムをむしり取られた状態で見つかったり
こんなタイミング悪い偶然続くのか?と頭にクエスチョンマークを浮かべながら今日のクエストで指定された魔物退治をしてる最中で
「(おかしい………一向に倒せないな…………)」
何の事のないただのプチプリ相手に時間がかかってる気がする
いくらかレベルの上がった俺には簡単に倒せるはずなのに………
それでようやく全て倒してヘトヘトになった俺は地面に座り込むと、手に何か嫌な感触のものが触れた
「うわっ!な、なんだ……?」
赤っぽい色の球体でぐにぐにしてるこれは………グミだ。だけどこのグミは半分齧ったあとがあり、よく地面をみるとそこら辺に似たような残骸がある
「(なんでこんな所にグミが………まさか!)」
俺は気付いた。もしかしてプチプリ達をなかなか倒せなかったのはこれが原因か?
攻撃の合間に囲まれそうになったらダッシュで距離を置いて一匹ずつ相手にしていたんだけど、その時にこのグミを食べて回復していたからか……?
でも一体このグミは何処から………そう考えながら自分も回復しようと道具袋に手をかけると何か違和感が………
「(あれ?道具袋、こんなに軽かったっけ?)」
嫌な予感がして道具袋をよく見ると………
なんとそこの方に穴が空いていた!!
「(う、うわあああ!?これか!このせいでグミが地面に巻き散らかってプチプリが食べて………そうなれば、俺が回復する分は……)」
探してみたけど、HPを回復させる系のアイテムは………全滅
「(嘘だろ………マジかよ………)」
ここはダンジョンの中でも奥の方。そこからギルドに戻るまで魔物から逃げながら帰れる……のか?
クソッ………こんな踏んだり蹴ったりな事ってあるのか?
途方に暮れて辺りを呆然としながら見渡すと、近くの木の根本に宝箱を発見した
回復アイテムが入ってるように……と祈りながら開けると、そこには白いボトルがあった
「ホーリィボトルか……」
回復アイテムじゃない事に愕然としそうになったけど、たしかホーリィボトルは魔物を遠ざけてくれるアイテムだったはず。ならまだ希望を捨てきれない
「……仕方ない。このボトル使ってダンジョンを抜けますか」
俺は気合いを入れるべく両手で軽く自分の頬を叩いて決意してから、ボトルの蓋を開けて中身を足元にかけた
よし!これを使って慎重に歩けば帰れる!!
そう思っていたら………
周りの草むらがガサガサと音を立て、その中から次々と魔物が現れた!!!
……………………………え?
「これは………一体どうなってんだああああ!?」
そう叫びながら俺は魔物の群れから全速力で逃げ回った
気のせいかと思いたかったけど俺を追う魔物達がどんどん増えていくし、隠れたり急な方向転換しても真っ直ぐ追ってくる
……これじゃあホーリィボトルの効果と真逆じゃないか!
「(真逆と言ったらダークボトルだけど、俺が手に取ったのは白いボトルだから間違うはずはない)」
ったく……何がどうなってんだ!?
困惑しながら魔物から逃げるのに必死だったから、適当な道を進んでしまい出口を見失ってしまった
そんな状態で、もう走るのに疲れ足が止まりそうになる
クソッ!こんなところで諦めるなんて………
その時だ