紫色の執念




「ら、乱暴?俺が?」

「そうだよ。もしかして自覚ないの?」



そう言いながらサレは口に手を当ててクスクス笑い、やがてその手を自分の頬に持っていきこれ見よがしに撫でる



「結構痛かったんだから。君のストレート」

「(うげ………)」



あ〜……やっぱ覚えていたか。あの時の俺の拳

力が宿って奴を凄まじくぶん殴ったんだった!

笑いながら話してるサレの目に再び冷たい怒りを感じた俺は、時間稼ぎとか言いつつ己の首を閉めてしまう状況にしてしまった。と後悔する



「まさか忘れてた。なんて言わないよね?」

「忘れるわけ……ない」



この動けない状態の俺にサレはいつ剣で刺すか分からない…………蛇に睨まれた蛙状態な俺は黙ってしまう

うぅ………どうすれば………でも殴った事に関しては謝りたくないし、あれは正当防衛だと言いたい


………………


その時、俺はあることに気付き、サレに向けていた意識を周りに向ける


…………もしかしたら、今がチャンスかもしれない!



「………忘れるわけねぇだろ。エステルをしつこく口説こうとした迷惑野郎を追い払ったっていう名誉ある一撃だったからな!」



一か八かの判断だけど作戦実行のために俺は控え目にしていた態度を止め、一気に挑発モードに入る



「どんなに器用な奴でも女を口説けないってダサいよな〜。エステルだけじゃないクレアにまで振られていたなんてな」



前にヴェイグから聞いた話を混ぜ込んだ俺の挑発を聞いたサレは一瞬眉をピクリと動かしたが、余裕のある笑みを浮かべたままだ



「…………そうかい。覚えていたなら話は早い。僕はエステリーゼ王女を捕らえないといけないんだ。だから…………」



ゆっくり話していたサレだったけど、次の瞬間には素早く構えた剣先を俺の喉元に突き立てる!



「王女を何処に匿ったか吐いてもらおうか。それともここで死にたい?」



おふざけ無しのマジな口調に混じるドスの聞いた声から、俺が言った事に対して少しながらも苛立っているのか?とビビりそうになったけど………負けない!!



「お前に刺されるくらいなら、魔物に食われた方がマシだな!」

「そう………だったら、君が無様に死ぬところを見物させてもらうよ」



サレが剣を下ろし、俺の周りに発動させていた術を止めると

俺の身体は重力に従って下に引っ張られる……



…………今だ!!



「食らえ!!」



俺は自分の落下する手前の一瞬に、持っていた袋からボトルを出して中身を全てサレに向かってかけた!!



「っ!、そんな抵抗したって無駄だよ……!」



そう言ったように聞こえたけど、今集中するのは自分の事だ!

俺は更に素早く腰に手を回し、ベルトに着けていた黒い薬品の瓶を地面に向かって投げる!

そしたら、すぐさま地面で割れた薬品のボトルから爆発が起こり、下に引っ張られていた身体のスピードが若干緩み、爆風に押される形で空中でバインドする


…………そう。俺はボムスローの爆発を利用して安全に着地しようと咄嗟に思い付いた!

上手くいくか分からないものだったけど、俺は直撃するはずだった地面よりも奥の草むらに着地する。つまり成功だ!
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