シャムロックの手錠

2020/05/12
「知ってたよ」‖寂寞をきどったディープグリーンまみれと半透明の雨粒。さえない雨音が世界の基盤を築きはじめるころ。双生児のこと。フレア・スカートの微細な揺れについて。波のように揺らぐ肌の病的な白さ。おなじ速さで食べるカボチャの冷製スープ。オモチャの車。パンケーキにかかったベリーソースでよごれたブラウス。それが知っているすべて。じっとりと、コンクリートは胎盤のにおいをたたえ、あの午後三時がくる。題名も忘れた狂気まがいの映画が絶えず流れるスクリーン。あのワンシーンの切り抜きに似ている。君は似ている。君は似ていた。

そうだ、君はその寂寞の角で待っている。



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