黄泉竈食ひもカニバリズムもできるまなざし

2020/04/19
きみとぼくでは足りないのだから‖どこまで行ってもずっと寂しいんです僕たち、閉店まぎわのガソリンスタンド、誰も乗ってないメリーゴーランド、ひび割れたアナウンスが鳴ってるゴーストアーケード、まぶしくてさびしい、空っぽににぎやか。さびしさはいつもひかりの中にある。君のいる夜には忘れられるか、否、だって君はひかりだ。


2020/04/18
フェーリスはもういない‖

ちる
わらう
たゆたう
さきほこる
うたいまどう
きみにたおられ
かなしくふぶいて
ほねのごとくしろく
やがてはつちにかえる
あえかなえみをうかべて
みなもになきがらをながし
ねもとにしかばねをいだいて
けしておわらないはるのりんね
かぜしろくそめてちるはるのゆき



2020/04/17
27.9℃‖たとえば廃墟ができあがるまでの過程を見守る春のこと。知らない校舎が壊されてる道を歩く早朝には、涙だって流せるような気がするんだ。蛇口をひねるみたいに泣いてみせる可愛いあの子をいつもうらやんでいたよ。君の前でだけ涙をこぼすあざとさが欲しかった。真新しい制服だけが純情の形ではないよ。


2020/04/16
メリーポピンズをもう一度‖にんげんはかわいい。ふつか続けて閉店するコンビニを見かけたので、この街はもう空にでも飛んでいってしまうのかと思った、それはそれで静かなハッピーエンドだね。君が街角で花を売っている間だけ、私は日々が続いていることを実感できる、さっき誰かに名前を呼ばれた気がした。ひとりきりの海で。


2020/04/15
ハリエットのしろ‖誰でもない、誰でもいい、そんなゴーストにシュプレヒコール。正しさだけがあなたなのだ。鏡越しに後ろを見てごらん、正義に殺された亡霊たちのうつろな目。真夜中のランドリールームで僕は泣いてた、心臓についた汚れが落ちなくて。この洗剤で落ちないシミなんかないって、あの人は言ったのに。


2020/04/14
歓びの檻をばらまいて‖完成された酸素カプセルの中でずっと息をしているんだ僕ら、ここ以外の場所では生きられない体にされてしまったよ、空気も心も最適状態に管理されてさ、次はウォーターカプセルがいいな、永遠の水の中に君とふたりでたゆたってたい。言葉はいらない、日差しがきらきら君の顔に落ちてきれいだろうから。


2020/04/13
余命なんていらない‖星が落ちてくるよ。爆発する街灯なんか全部ひとごと、炎上する街に未練なんか無いので、逃げまどう誰かたちを横目に僕はフードを深く深くかぶる。なにも聞こえないふりをする夜の色は甘かった。真夜中の警告灯は赤い両目だって、迷子の怪物が街を見下ろしてるんだって、僕に囁いてくれたのは誰だっけ。


2020/04/12
死にざまにサイダーを‖23時59分の居心地はどう?そこから出られなくなったらいいのにね。始まりだってきらいじゃないよ、いやなだけ。止まれないなんて不条理。勝手に始まった僕のムービー、上映時間は未定です。イイトコロで強制的に流れ始めるエンドロール、お盆には好き勝手切り貼りアンコール上映。あ、走馬灯きれい、


2020/04/11
ねえ、絶望は美しい‖君の涙がまつげの先でこおった。悲しい飴玉みたいだ、疲れてまばたきしてる街灯の下できらきら光ってさ。その冷たく青ざめた頬にふれる権利なんか僕にはないけれど。寒くて痛いなんてとっくに死んでしまった感情。毛細血管が青く麻痺していく夜、僕の首を絞めあげる君の指先から、甘い薬の匂いがした。


2020/04/10
まひるの夜‖純度100パーセントの悪意で君を好きだよ。日付が変わるころ、まだ生ぬるいバスタブに浸かったまま夢を見ているということ。まどろみはいつか化合物まみれの善意に甘やかされていく。蛍光塗料で歯をみがいたら、きっと悪趣味できれいだ。キスマークも光るね。ハイセンスな毒々しさで僕ら愛をしようよ。


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