記録 パロミノの心臓2019/12/21 輝くもののない空を願う‖星のない夜にいた。 君はたいへんくらいと思うだろう。 君はたいへんくるしいと思うだろう。 星はなくとも月はあるのだ。 たいへん明るい星のない夜だった。 2019/12/20 時々、あなたは、あなたが‖素肌は優しかった。君のように優しかった。それ以外の言葉が見つからなかった。彼女は雪のように白くて、桜のような色をしていた。そうかと思えば、夏の太陽のような明るさで、紅葉のように寛容だった。全てが優しかったのだ。害を為すものなど微塵も感じられず、ただ、優しいひとだった。 そう、きっとそれが唯一の間違いだったのだ。 2019/12/19 最後に残る空白に口付けて‖どうして私を見てくれないの。どうして私の口付けを拒むの。私はあなたの虜だというのに。でも、あなたは私のものだわ。美しいあなたは今や銀杯の上、私を拒む事など出来やしない。初めての口付けは苦い恋の味。ずっと一緒ね、冷たいあなた。 2019/12/18 罪ばかりの密‖愛など要らぬ。己を否定する愛など要らぬ。欲するは黄金のみ。必ずや彼の指環を我が手中に収めてみせようぞ。邪魔する者には呪いあれ。 2019/12/17 バッドエンドのサイレンが鳴る‖ダンシネインの森が来るよ。ほら、不実なお前を喰らいにやって来る。逃げるがいいさ、運命から逃れられるのなら。 2019/12/16 にせものらしく笑ってみせて‖欲しいという言葉を心臓に詰まらせながら真逆の言葉を投げつけて、今日も今日とてベッドの中で自己嫌悪に浸るのさ。 2019/12/15 致死の瞳‖ねえ、死ぬのかい。どうして死ぬんだい。だってお前、お前のその瞳は変わらず黒いままで、それにほら、頬だって温かい。それでどうして死ぬなんて。 2019/12/14 ぐしゃっと丸めて捨ててしまいたい、こんな感情は‖捨てておしまいよ、そんなもの。枯らしておしまいよ、そんなもの。いくら花を咲かせても、実るあてなどないのだから。 2019/12/13 優しすぎるのは冷たすぎるから‖誰にでも優しいあなた。そんなあなたに惹かれた私はけれども醜くて、あなたが私以外に微笑むたびにこの身が焼け焦がれてしまいそうになるの。 2019/12/12 なし崩しの夜‖ねえ、あなた。嘘でも仰ってください。お前だけだと仰ってください。ただ一度そう仰っていただけたら、それを寄す処にして私は生きて逝けますから。 ;prev or next ☂top page |