調律

ああ、と感嘆を洩らすと、彼はようやくなぞなぞが解けた子どもみたいな顔をした。

「何?」
「その刃物を扱う仕種。何かに似ていると思っていたんだ。そうか、バイオリンを弾く手だ」

無教養な私は楽器を習ったことがなく、代わりに手首に引いていたのは国境だった。その先は彼さえ足を踏み出せない荒れた、けれどまっさらな庭だった。

膜のようにおおわれた微笑の下で彼もまた冷たさをたたえている。
窓の外がしらじらと額に絵を描く、この部屋では月も星も浮かばずに沈殿したまま。

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説明やあらすじなど。
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