05

次の日、俺は部活へ向かっていた。
四天宝寺中テニス部の今日の予定は他校との練習試合で、俺は久々の部員以外との試合に気分が高揚していた。
部室につくといつものメンバーが俺を迎えてくれる。おはよーさん、なんて挨拶しながらユニフォームに着替え、白石達と軽くミーティング。その後試合相手が来るまで少し時間があったため、軽くボールを打ち合ったりして過ごした。

一時間くらい過ぎた頃だろうか、校門の方がざわざわとしてきた。どうやら練習試合の相手校が到着したらしい。
部長であろう人物が白石と話しているのを横目で見つつ、対戦相手はどんな奴だろうと入ってくる奴らを眺める。次々とよろしくお願いしますと言いながら入ってくる相手校のメンバー。その中にすごく見覚えのあるやつが居て、思わず固まる。

「どないしたんです謙也さん」
「…えっ、ああいや、なんでもないで。」

不思議そうに声をかけてきた財前にそう返事をするも、目線はずっと同じ場所を向いたまま。
心が踊る。嬉しい。こんなにも早く約束が果たされることになるとは思わなかった。
無意識に口角が上がっていたらしく、財前に気持ち悪いわぁ…なんて言われていたが気にしない。俺はその場を離れ、あいつの元へと向かった。

「陽和!」
「えっ、謙也?」

声をかけられてこちらを振り返った陽和は、そこで俺の存在に気づくと目を見開いて驚いたように俺の名前を呼び、近くまで駆け寄ってきた。

「練習試合の相手って陽和んとこやったんやな。」
「俺もびっくりだよ、まさかこんなすぐに謙也と試合できるなんてさ。」
「手加減したら怒るで。」
「誰がするかよ! っていうか、お前の方こそするんじゃねーぞ。」
「当たり前やろ。」

そう言って昨日みたいに2人で笑った。今はそんなに時間ないし、またあとで。と言葉を残して陽和は仲間達のところへ戻っていった。
チームメイトにお前知り合いいたのかよ。と声をかけられてる陽和を見れば、友達。なんて返していて。少し…いや、結構嬉しい。

「なんや謙也、自分向こうの学校に知り合いおったんか。」

俺も元の場所に戻ると白石にそんなふうに聞かれたので、同じように友達だと返しておいた。