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「何が仰りたいのかしら?」

朝ごはんを食べながらグリフィンドール勢の怒りなどを当の本人でもあるにもかかわらず見守っている時、大広間の出た廊下からアンブリッジの甲高い声が聞こえた。なんだろうかと全員で顔を見合わせて廊下に出れば、そこにはマクゴナガル先生もいた。

「私の生徒への罰則は、規定の方法で行なって頂きたいのです」
「聞き間違いかしら?私の権限に口を出されますの?ミネルバ」

マクゴナガル先生に食ってかかるのはアンブリッジ。背が低いからか階段をあがり、上から先生を見下ろすようにしてそう言った。
二人の言い合いに他の寮の生徒も興味津々で大広間から出てくる。俺の後ろにはフレッドとジョージがいて、小さい声で「いけいけマクゴナガル!」と応援していた。

「いいえ、ドローレス。問題は残酷なやり方です」
「私への意義は魔法省、ひいては大臣に異議を唱えるのと同じ。寛容な私も背信だけは我慢なりませんわ」
「寛容ですって?学校全体が認めている我が寮の監督生からその権限を剥奪するその姿勢の、どこがです?」

マクゴナガル先生も負けじと階段を1つあがると、アンブリッジに対してそう言い返した。リーの口笛が廊下に響き、ハリー達も笑顔を浮かべながらその動向を見守っている。隣ではヒヨリが、少しだけ心配そうな顔で見つめていた。その時、後ろから肩を1つ叩かれた。後ろを見れば、ドラコが険しい顔をして俺を見ている。

「...言ったはずだぞ、シェバン。今君達は立ち位置が危ないんだと」
「...分かっている」

ドラコは小さい声で俺にそう言った。

日本はヴォルデモートの復活を信じ、国を閉じている。その日本から逃げ出した俺とヒヨリ。さらにイギリスの魔法省はヴォルデモートの復活を信じていない。その魔法省から送り込まれた人物に、監督生としての権限を剥奪される。それがいかに低俗な判断だったのか、火を見るよりも明らかだろう。

「あまり目立った行為はするな。お前も、ポッター、貴様もだ」

気づけばこっちを見ていたハリーにもドラコはそう言った。しかし、俺とハリーも分かってはいるのに、行動に起きてしまったのだ。理屈じゃ伝らない事なんだと、ハリーは目で訴えていた。

「教師に杖を向ける野蛮な生徒が監督生だなんて、ホグワーツの惨状は予想以上ですわ。大臣が黙っていないでしょう」

アンブリッジは、階段をまた一段上がると、俺たち生徒に向かってたかだかとそう言った。ソノーラスでも唱えたのかというほどの大声だった。わざとらしく耳を抑える双子達を一瞥し、俺はもう一度彼女の姿を見る。

「だとしてもです」

そんなアンブリッジに立ちふさがるかのようにマクゴナガル先生が大きい声を上げた。厳しい女監の声は俺たちの背中をビリビリと震わせる。

「だとしても、彼の人望を知りもせず権限を剥奪するのは私が許しません。そのバッチを、今すぐに返していただきましょうか」

睨み合いの末に伸びたアンブリッジの腕に乗っているバッチを見た時、グリフィンドールの生徒達の歓声が沸き起こった。










無事に監督生に戻れたのもつかの間(結局1日のみだったけれど)、アンブリッジが高等尋問官という位置についた。それが一体なんなのかはよくわかっていないのが現状だが、つまり言いたいことは、

「魔法省の完璧なるホグワーツへの干渉だ」

そう言えば、フレッドとジョージがうんざりとした顔で机に突っ伏した。NEWT試験の勉強をしながらの話は、他の生徒にも聴こえていたようで談話室は一気に騒がしくなった(もともと騒がしかったが)。

「学力低下の問題に取り組む、ですって。余計低下しちゃうわ」
「応用がないのであれば引き出しから知恵を取り出すこともできないのにね」

ハーマイオニーのO.W.L試験勉強に付き合っているヒヨリの声が聞こえる。そこをちらりと見れば、ヒヨリ達と一緒に勉強をしていたアンジーとアリシアまでもが、肩を上げながら憤慨していた。

「このままじゃNEWTも真面目に受けられないわ」
「これで落ちたら呪うわね」
「アリシアそれは流石に怖い」

そんな話を聴きながら少し笑っていれば、机からガバッと起き上がったフレッドとジョージが俺の隣に座るリーの羽根ペンに指を伸ばして悪戯をする。

「なんなんだよお前らは!」
「ちゃっかり勉強してるなんて」
「リーらしくもない。相談事か?乗るぞ?」
「普通に勉強してるだけだろーが!」
「お前らはいちいちリーに突っかかるな」
「なんだよママ」
「ママじゃない」

こんな二人の掛け合いも、今年一年で見納めになるのかと思うと少しだけこの時間も暖かいものに感じ取れた。



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