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アンブリッジが高等尋問官になってからというもの、ホグワーツでの生活は少し息苦しくなった。どんな授業にもあの女は現れるし、しまいには占い学のトレローニー先生を解雇。好き勝手やり過ぎなのでは?というのが素直な感想だ。
「ヒヨリ、タイリー、今いいかしら?」
タイリーと二人で暖炉の前で座っていた時、後ろからハーマイオニーの声が聞こえた。振り向けばハーマイオニーの他にハリーとロンもいる。
「どうかしたの?」
「ヒヨリ、タイリー、お願いがあって」
「ん?」
読んでいた教科書を一度閉じて、私とタイリーは顔を見合わせ3人を見た。少し険しい顔をしている。ハリーは周囲をちらりと見ると(ちょうど人があまりいなかった)、意を決したように口を開いた。
「僕達、軍団を作ろうと思っていて」
「え?軍団?」
「あ、いやそんな暴力とかをしたいと思ってるわけじゃなくて...!!」
そりゃそうだ。
流石に軍団と言われたら驚くだけでハリー達に限ってそんな事するとは思ってもいない。一度深呼吸をしたハリーの背中をさすりながら、ハーマイオニーが私の方を見て口を開いた。
「アンブリッジからでは、今後何も学べないと思うの。だから、私達は学ぶ場を設けるべきだと思ってる。きちんと、防衛術に長けている人から」
「それに賛成してくれる人を探していて...同じ気持ちを持っている人達で練習できないかなって」
ハーマイオニーに続いて、ロンがそう言った。彼もまた成長したようだ。二人の剣幕に頷きながら、先を促せばハリーが私とタイリー両方を見比べてまた言った。
「一緒に、この考えに賛成してくれないかな」
風の強い寒い日。もう冬がやってくるのかというほどの気温に、マフラーとコートを着込んで歩いていた。タイリーが私の手を掴んでポケットに入れて、暖める。それを見ながらニヤリと笑ったのはジョージ、リー、アリシアだ(フレッドとジョージは私達以上にひっついて歩いている)。
「保温魔法でもかける?」
「おいおいアリシア、保温魔法かけたらオジョーがタイリーと手を繋げなくなるぞ」
「滅多に見れない姿なんだし目に収めようぜ」
3人の掛け合いに少し照れなが後ろを見る。睨んだつもりなのに、3人は笑いながら私を見るだけだった。
「なーこれどっちだ?」
「右だったかしら?」
先頭をきって歩いているアンジーとフレッドが一度足を止めて問いかけた。私達もなるべく早く歩いて二人の側に近寄る。左右に別れている道をじっとにらんで、結局わからなくて私達は同時に首を傾げた。
「ホッグズ・ヘッドなんて行ったことねーもんな」
「標識とかないのかしら」
「見つかんねーよ」
ホグズミードの端にある寂れた酒場、という事だけはしっているけどそんな所に行こうと思う生徒がいるわけもなくて。じゃあどうしてそこに行こうとしているのか、と聞かれると、この前ハリー達が言っていた防衛術を学ぶための会合というのをそこで行うらしい。
あの後、他にも賛成してくれそうな人も呼んでほしいと言われて真っ先に思いついたのがこの5人だった。フレッドとジョージはロンに言われてたみたいだったけど。
「...あれ?ルーナ」
「はぁい、ヒヨリ」
横から颯爽と風をきって見えた金髪に目をやれば、そこにいたのはレイブンクローの生徒ルーナ・ラブグッド。ルーニーって呼ばれてる子だ。
「ルーナも呼ばれてたの?」
「うん。ジニーにね。面白そうだなって思ってサ」
面白いの好きだもんね、という言葉はすんでのところでとどめた。初めて会った時、私が日本人だからか日本の妖怪についてめっちゃ聞いてきたもんね。
「ホッグズ・ヘッドはこっちだよ」
そして何もなかったかのように歩き出すルーナの後ろ姿を見ながら、7人で彼女の後を追いかけるように歩き出した。
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