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小さい頃、親が死んだ。闇の魔法使いによって殺されたらしい。


日本人の母親とイギリス人の父親を持つ俺は、生まれた時からずっと日本で過ごしていた。母親の旧姓は忘れてしまったが、親が亡くなった時、日本の由緒ある純血名家の人間に拾われ、俺はその名家の使用人として雇われた。

使用人として使えてる主人は、陸奥村ヒヨリ。陸奥村家次期当主の、同い年の女の子だった。

純血の家の人間であるにもかかわらず、俺の使える主人はとても次期当主としての威厳を感じさせない、ふわふわとした人だった。蝶を見れば捕まえたいと走るし、かと思えば嫌いな食べ物が出れば時間をかけて食べ抜くようなしっかりとした心を持ち、そして学校では常に勉強をして一番でいたいと思うような負けず嫌い。

純血名家の誇りを忘れるな。それをしっかりと教えられていたヒヨリ様は、恥じないように陸奥村家次期当主としての信念を、常に忘れずにいた。

その反面、彼女は昔から使用人である俺にも親切にしてくれる、とても優しい方だった。家族もいない天涯孤独の身である自分にとって、その親切が確かな安らぎとなり、いつしかそれが恋心となるのも、年頃の男にはありがちな事だ。

しかし、それを例え主人であるヒヨリ様が許しても、現当主のコトヨ様がお許しになるわけがない。自分の娘が何処の馬の骨ともしれない男と結婚し、挙句には純血ではない子供が生まれてしまったのだから。

そんなヒヨリ様には過酷とも言える運命が待っていて。16になると同時に名前も顔も知らない純血の男と結婚することが義務付けられていた。純血主義をとことん嫌っているヒヨリ様は、そんな人生は嫌だと常日頃から仰っていた。
そんな思いもあって、ヒヨリ様はホグワーツへと進むことを決めて、家への反抗心を強めたのだ。

もちろん、彼女へ仕えている俺もついてきた。
彼女の元を離れるのは、俺に死が訪れる時だと、ヒヨリ様に仕えたあの時に決めたのだ。



ホグワーツ魔法魔術学校というのは日本の学校とは全く違った。まず見た目がちがう。洋装のお城で中もだだっ広く、ゴーストがそこら中を飛んでいた。俺はお嬢様の隣を歩き、少し周りに視線をよこしながら集団の動く波に合わせて動いた。

校長である、今最も偉大な魔法使いであると言われているダンブルドア先生が声をかけ、そして一年生の組み分けが始まった。ホグワーツへ行く特急の中で読んだ本の中に、この組分け帽子の事が確か書かれていた。

俺とお嬢様はどこの寮に入るだろうか。
俺はできる事なら、お嬢様と同じ寮であればいいと、願った。



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