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そんな時でも、クリスマスというものはやってくる。
今年は意外にも結構帰る人が少なかった。石になるなんて噂されてるのに、秘密の部屋の真相を知りたいからなのだろう。どんだけ皆好奇心旺盛なんだ。
アンジーとアリシアへのクリスマスプレゼントは今年は和菓子セットとクィディッチの用具品にした。喜んでくれたかわからないけれど、きっと喜んでくれるだろう。
ハリーには、去年より強力な守護魔法をかけたブレスレットとネックレスを贈った。本来ならお守りをあげたいところだけど、そこまで行くと日本では完璧なオカルト好きのいかれたやろうになってしまうから。まぁここはイギリスだけど。
「ヒヨリ、タイリー、今年もありがとう」
「ううん、君にはもっと強力な守護魔法をかけないといけないみたいだから。両手にブレスレット、首にネックレスあれば、上半身はなんとかなるでしょ?」
談話室で去年と同じように朝会えば、あげたブレスレットとネックレスをつけながら、ハリーが笑顔でそう言った。
この前骨折した時に、呪いの類にも幾つかあるんだと学ぶこともできたし。もっと強力にして幾つかつけておけば、なんとかなるはずだ。
「ごめんね、大丈夫だって言ったのに怪我をさせてしまって...」
「そんな、ヒヨリたちのせいじゃないよ。それに、ブラッジャーは絶対ブレスレットがある方を襲おうとはしなかったんだ」
そうはいっても、実際に骨折をさせてしまったのだから、関係ない。私はハリーの頭を優しく撫でて、今度こそ、彼に怪我がありませんように、と祈った。
そんなことがあったクリスマス当日の夜、談話室でタイリーと一緒に勉強をしていれば、いつか見たようにバタバタと騒がしく走りながら、談話室に入ってきたハリーとロン。
「ヒヨリ!!」
「今大丈夫かい!?」
私の顔を見つけると、ハリーとロンが青ざめた顔で私の前に立ち、無理やり私の腕を引っ張って立ち上がらせる。
「何々...!?」
「おい、ハリー、ロン...!!」
隣に座っていたタイリーも腕を伸ばして私をソファーに戻そうとした。
「いいから、お願いだよヒヨリ...!!」
「タイリーごめん本当にごめんヒヨリを貸して..!!」
必死な形相でタイリーにそういうハリーとロンに、タイリーも何も言えなかったのだろうか。私は二人に引っ張られながら談話室を出て行った。
私のいなくなった談話室で、フレッドとジョージとリーがニヤニヤ笑いながら「取られたな、タイリー」なんて言ってタイリーを怒らせたことは、その時の私は知らなかった。
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