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「...で?何があったのか教えてはくれないの?ハーマイオニー」
ハリーとロンに連れてこられた場所は三階の女子トイレ。嘆きのマートルのいる場所だ。唯一閉じられた扉を指差したロンに従って、そこの扉を開けば、文字通り猫の姿になったハーマイオニーがそこにいた。
その時は何も言わずに、とにかく自分のローブを脱いで、彼女の頭にかぶせて医務室へ連れて行った。ハリーとロンには申し訳ないけど、こういう時は女同士の方がいいでしょと言って寮に帰らせた。
今は医務室のベッドで寝ているハーマイオニーの隣に椅子を引っ張り、すわっているところだ。
「...ごめんなさい」
ただ、私の顔を見ずに下をうつむきながらそう謝るハーマイオニーの頭をそっと撫でる。
どうしてこうもこの子たちは、無茶なことをしようとするのか。思わず出るため息に、ハーマイオニーがびくりと肩を揺らした。
「怒ってるわけじゃないの、ハーマイオニー。誰にも言わないし、貴方達を非難なんてしないから、何がしたいのか教えて?」
そういえば、ハーマイオニーはゆっくりと顔を見上げて、その大きなアーモンド形の目をゆるりと潤わせて口を開いた。
「秘密の部屋よ...」
「秘密の部屋?」
「...秘密の部屋をマルフォイが知ってるんじゃないかと思って、聞き出したかったの...」
「それで、スリザリン生の誰かになりすまそうとして、ポリジュース薬?」
「...えぇ」
間違えて誰かの髪の毛だと思ったものが猫の毛だったのだろう。それでも、ここまで確かな変身ができているんだ、その薬は大成功だった。
「...ポリジュース薬は難しいって言われてるから、よく作れたね」
ある意味褒めるべきものではないのかもしれないけれど、こんな結果になってしまったのは彼女の頭の出来がいいからだ。頭をそっと撫でながら、そういえば、ハーマイオニーが少し笑った。
「ねぇハーマイオニー。去年言ったけど、貴方達は確かに勇猛果敢で立派なグリフィンドール生だと思う。だけど、心配してる私たちのことも、少しは考えて...?」
やんちゃなお年頃なのもわかるけど。ここまでくると私たちの命がいくつあっても足りないくらいだ。もう一度、そういえば、ハーマイオニーはゆっくりと首を縦に振った。
「...ヒヨリ」
「うん?」
「もう、心配はかけないわ...もしも、わからないことがあったら、相談に乗ってくれる...?」
「...先生たちには伝えずに?」
そう聞けば、ハーマイオニーは首を縦にふる。
本当に無理難題を押し付けてくる天才だと思う、この子たちは。先輩として心配をしている私の行動を抑制しつつも、それでも後輩として信頼していると示されれば、私は頷くことしか、できなかった。
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