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朝になり、私はまだ寝てるアンジーとアリシアを起こさないように顔を洗い身支度をする。部屋に戻れば、アンジー達も起き出していて、朝早いのね、なんて言われた。

二人の身支度も終わり、私達三人は荷物を持って大広間へと向かった。
適当に空いているところに座って、パンに手を伸ばせば隣に人の気配がして、そっちを向く。


「おはようございます、お嬢様」
「うん、おはようタイリー」


聞こえた日本語はタイリーのものだ。きっちりと第一ボタンまで閉めてネクタイを締めるタイリーには、流石の一言だ。


「君がヒヨリ様かい?」


すると、前から別の声が聞こえて。そっちを見れば同じ顔の双子の兄弟がいた。その隣にはドレッドヘアーを綺麗に結い上げた男の子。


「タイリーの同室の子?」
「そうさ、僕はフレッド」
「僕はジョージ」
「で、リーだ」
「よろしくね。ヒヨリ・陸奥村だよ」
「私はアンジェリーナよ」
「アリシアよ。同じ寮としてよろしく」

フレッド、ジョージ、リーと握手をして、アンジーとアリシアも自己紹介をした。ついでに、アンジーとアリシアにタイリーを簡単に紹介すれば、驚いたように目を見開かれた。


「貴方、純血名家の人間なの?」
「うん、あれ、昨日言わなかったっけ?」
「聞いてないわよ!聞いた?アリシア」
「聞いてないわ」


二人して首を横に振って、私とタイリーを見比べた。そんなに純血名家っぽくないだろうか?誇りを忘れるなと何年も言われ続けているから、自覚はしているのだけれど。


「なんだかふわふわっとしてる子なんだな」
「もっとカチッとしてるのかと思ってたぜ、なぁ?リー」
「あぁ。なぁ、今話してたの日本語かい?」


ふわふわ…?私は首を傾げてその意味を考えていれば、隣に座っていたアリシアがぷっと吹き出しながら私の頭を撫でた。


「日本語だ」
「オジョーサマ!オジョーサマ!」


タイリーがトーストとサラダを取り分けて私の皿の上に盛り付けながら、リーの質問に答える。
すると、お嬢様の発音が面白かったのか何度も何度もそれを連呼したフレッドとジョージ。そして私の方に向かってオジョー!と呼びだして、ついにアンジーまでも笑い出した。


「なんだかそっちの方がしっくりくるわ」
「えーアンジーまで。私そんな純血名家っぽくない?」
「なんだかふんわりしてるのよ、貴方」
「これでも次期当主だよ?」
「もっと詳しく言えば、日本でも数少ない純血名家を統べる純血名家の、次期当主だ」


タイリーがそう言えば、アンジーとアリシアは元々大きい目をさらに大きく見開いて、前に座ってるフレッド、ジョージ、リーは、私とタイリーを見比べて、そしてまたオジョー!!!っと叫びだした。

なんとも解せぬ反応だけれど、純血名家だからと言って色眼鏡をかけないそんな五人の反応が嬉しくて、私は心から、笑顔を浮かべることができたのだ。



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