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クリスマス休暇前になり、ホグワーツの雰囲気も明るく騒がしいものとなった。だとしても、私たちふくろう生には関係のない事なのだけれど。
「もう無理!!」
「おい倒れたぞ!!誰か医務室に運べ!!」
談話室ではいつもなら騒がしいグリフィンフドール寮の談話室が、カリカリと動かす羽ペンの音や、教科書をめくる音、さらには途中で発狂して倒れる人の音でいっぱいだった。
クリスマス休暇前最後のホグズミードだけど、クリスマス休暇で家に帰る人にとったら今勉強しないといつ勉強するのかって話なので、全員切羽詰まった顔で教科書にのめり込んでいた。
「フレッド!!ジョージ!!どこに行ってたんだ!!」
「もうこっちは始めてるぞー」
談話室に入ってきたフレッドとジョージを見つけた途端に、r前に座って勉強していたタイリーが立ち上がり、怒鳴り声をあげる。リーも教科書を眺めながら適当にそういった。
「わかったわかったごめんってタイリー」
「雪だるま作ってたんだよ」
「はぁ?」
「三段の」
「雪だるまだ」
「そんなことは聞いてない...」
相変わらずな会話を聞きながら、アンジーとアリシアは「馬鹿ね」「馬鹿よ」と一言ずつそういっていた。
「二人とも雪すごいじゃん。払ってきてないの?」
帽子の上にも肩の上にも雪がたんまりと溜まっていた。私がそれを指摘すれば、フレッドとジョージは勢いよく首を横に振って、アンジーに「やめてよ!!」と怒られていた。
タイリーが呆れたように杖を振り、二人の帽子や髪諸々を乾かし、「早く着替えてこい」と一言言って机の前に座りリーに勉強を教えた。双子も勢いよく階段を上って、すぐに教科書類を持ちながら談話室に降りてきた。なんともおかしい光景に、私たちは思わず笑い声をあげた。
「ヒヨリ、お疲れ様」
聞こえた声に教科書から顔を上げれば、ハーマイオニーが居た。少し目尻を下げて私を見ていたハーマイオニーに首をかしげて、私は彼女にありがとうと言う。
「これ、ハニーデュークスで買ってきたわ。勉強の合間にでも食べてね」
と言って渡してきたお菓子を受け取る。甘いものが好きな私の好みに合っている、とても甘いマシュマロの詰め合わせだった。もう一度、ありがとうと、今度はこれ以上ないぐらいの笑顔で言えば、ハーマイオニーも少し笑顔を見せた。
「どうかしたの?」
休憩すると部屋にもどったアンジーとアリシアは今はいない。空いているソファーをポンポンとたたき、ハーマイオニーを座らせる。前には机に突っ伏して寝ているフレッドとジョージ。それを茶化すように二人の寝顔をカメラに収めているリーと、呆れたように頬杖をつくタイリーが居た。
そっちをちらりと見て、ハーマイオニーは私の方に体を向けると「ハリーが...」とハリーの名前をつぶやいた。
「ハリーがどうかしたの?」
「なんといったらいいのかわからないんだけれど...」
そう言って、ちらりと違う方を向いたハーマイオニーの視線を追いかければ、そこにいたのは暖炉の前で佇むようにうなだれているハリーと、ロン。ハリーの顔は見るからに元気がない。
何があったのかもわからない。ハリーを慰めることもできない私は、ハリーが元気になりますようにと心の中で祈りながら、ハーマイオニーの頭を撫でるしかなかった。
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