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三人の心配をしていたところで、次はハーマイオニーとハリーが喧嘩をしたらしい。なんでも、ハリーにクリスマスプレゼントとして差出人不明のファイアボルト、世界最高速の箒が贈られたのだ。ハーマイオニーはそれを、シリウス・ブラックから贈られたのではと考えたのだ。
「だからマクゴナガル先生に伝えようと思うわ」
そういったハーマイオニーの考えは確かに正しいと思った。もしもシリウス・ブラックからのプレゼントなら、何か細工がされていてもおかしくないわけだし。
ハーマイオニーは有言実行という四字熟語の通り、マクゴナガル先生に進言して、ハリーからファイアボルトを没収した。
それが引き金となり二人は今険悪の仲だ。
クィディッチバカでもあるハリーは、前の試合で箒を粉々にしているし。それにこの前に何があったのかはわからないけれど、落ち込んでいた時もあったから。そんな時にふわりと舞い降りた希望の光、みたいなものがとられて落胆するのもわかるっちゃ、わかる。
だけど、ハリーを心配しているハーマイオニーの気持ちは無視なのだろうか?私は少し、悲しくなった。
そして次は、ロンとハーマイオニーだ。あの二人は前からちょくちょく喧嘩はしていたけれど。今回は決定的なことが起きたのだ。
ロンのネズミであるスキャバーズを、ハーマイオニーの猫、クルックシャンクスが、食べた。
らしい。実際に見たわけではないけれど、見るも無残な毛がそこら中に散っていたそうだ。
そんなこともあって、今ハーマイオニーは一人ぼっちなのだ。いつだか見た、一人で行動をしていた昔の彼女が思い出される。
「ハーマイオニー、一緒に勉強でもしよっか?」
たまには、息抜きも必要だ。その息抜きが彼女にとって勉強であることは3年一緒にいればなんとなくわかっていたために、私は教科書類を手にして、ハーマイオニーを誘った。
ハーマイオニーは目の下にクマを作った顔で、そっと笑顔を浮かべて首を縦に振った。
「ロンとハリーも、まだまだ男の子なんだね」
冬も終わりに近づいて、季節は少しずつ春に近づいている。と言っても、まだまだ春は先の話なのだけれど。
私たちは中庭にあるベンチに座りながら、教科書を膝の上で広げていた。
私の言葉にピクリと肩を揺らして、ハーマイオニーは教科書をじっと見ていた。
「...ハーマイオニーも、大変な子を好きになっちゃったね?」
私のその言葉に、ハーマイオニーはハッと顔を上げて私を見る。やっと目があって、私がにこりと笑えば、ハーマイオニーは少し頬を染めて「何の話?」と、そっけない態度をとった。
「男の子っていうのは、女が思ってるよりもずーーっと子供なのね。もっとお互いの価値観とか考えを感じ取れればいいのに、それが難しいんだよ。だって、子供だから」
そういえば、ハーマイオニーはフゥと息をついて肩をすくめる。
「...確かに、そうかも」
「でもね、ハリーだってロンだってハーマイオニーが嫌いになったわけじゃない。だけど、それを飲み込むことができないの」
「...うん」
「ハーマイオニーも、だからってロンとハリーを嫌いになれるわけじゃない。だって三人は、3年間、色んなことを一緒に経験してきたんだもん。ね?」
「えぇ...」
ハーマイオニーが肩を震わせて、私の言葉に一つ一つ頷いた。私はそっと、彼女の肩に手を添える。こんなに頑張ってる一人の女の子を、どうしてあの二人は放っておくことができるのだろう。本当は歩み寄りたい理性も持ち合わせているはずなのに、やっぱりどこか精神的にもまだまだお子様な二人に、それができるのはまず無理な話なのだろうけれど。
「ハーマイオニー、泣きたい時は泣こう。私が貴方の隣にいるから」
「...ヒヨリ」
「ん?」
「私...私、ただハリーが心配だっただけなの...」
「うん、わかってるよ」
「スキャバーズだって、クルックシャンクスが食べるわけないわ...」
「うんうん。わかってる」
ハーマイオニーは涙を流しながら、私の胸元にしがみついて、声を押し殺して泣いていた。
彼女頭をそっと撫でながら、ぎゅっと強く抱きしめる。
あの二人はきっと、こんな弱いハーマイオニーの姿なんて知らないだろう。いつだって皆のことを心配している頑張り屋さんな彼女の、こんなところを。
ハーマイオニーだって女の子だ。誰か一人を好きになったりもする、可愛らしい女の子だ。
無茶をしたり、たまに人の話聞かないで暴走するハリーに。余計な一言を言って相手を怒らせる天才なところもあるロン。こんな二人をコントロールできるのは、常に冷静で理性を持ち合わせたハーマイオニーだけ。
「わかってるよ。私も。タイリーも...みんな、ちゃんとわかってるよ、ハーマイオニー」
ハーマイオニーの頭を抱きしめながら、優しく背中をポンポンと叩く。ハーマイオニーは何度も肩で息をしながらしゃくりあげて、私の胸で、涙を流した。
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