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前途多難なのはハリーだけではなくて、どうやらこっちもらしい。
え?こっちって?もちろん、フレッドとアンジーのことだ。

「...どうする?もうあの二人見てらんないわ」

とは、アリシア。私も困ったように眉を下げて、アリシアと同じ方を向く。そこには、やけに距離の近いアンジーとフレッドがいた。大広間で、朝食を食べているだけなのに。アンジーとフレッドはやけによそよそしそうに、それなのに距離を詰めて座ってお互いに顔を見合わせながらサンドウィッチを食べていた。

「まぁ、あの二人って昔からちょくちょく一緒にいたよな」

リーがゆで卵を食べながら、アンジー達をみる。リーの隣に座っているタイリーとジョージも同じようにアンジー達を見て、呆れたように笑みを見せた。

「どーする?くっつけるか?」
「おいおいジョージ...」
「なんだよリー」
「お前って最高か?」

リーとジョージがハイタッチをしながらにやにやと笑う。

「ちょっと、二人は二人のやり方があるのよ、部外者の私達が何するっていうのよ」
「部外者だって?アリシア、君は俺達と何年一緒にいるんだい?」

まるで人を馬鹿にしたような顔でアリシアをみるジョージを、タイリーが肘で小突く。

「でも具体的に何するの?」

タイリーがよそってくれたサラダを口にほうりこみながらジョージに聞けば、彼はにやりと笑顔を浮かべて、ずい、と上半身を前にやる。私達も彼にならって上半身を前にやって、皆で顔を突き合わせるようにした。そして、ジョージはゆっくりと口を開く。




「...何も思いついてない」


きっとなにか案があるのだろうと思ったのに、結局ないんかい、と私達は全員でずっこけた。








先日の、ハロウィンの時から。なぜかハリーはネビルと行動を共にしていた。ハーマイオニーはロンといて、少し困った顔をしながらハリーとロンの顔を交互に見る、という事を繰り返していたのを何度か見たことがある。放課後になり、ハーマイオニーが一人で廊下を歩いてる私を見つけると、怒られない程度(私が監督生だからだろう)の速さで小走りをして私の胸元に突っ込んできた。

「おっと...どうしたのハーマイオニー」
「ヒヨリ、相談があるの...」

悲しそうな困ったようなでも、どことなく怒ってるような表情で、私の顔を見上げるハーマイオニーの頭をそっと撫でる。彼女の後ろにはジニーもいて、とりあえず誰もいなさそうなところへ行こうか、と二人を連れて外に出た。

誰も座っていないベンチがあったためそこに座り、杖を振る。耳ふさぎ呪文を周りにかけて、私は二人の顔をじっと見つめた。

「で?何かあったの?」
「ロンとハリーよ」
「あの二人、喧嘩中なの」

呆れたように自分の兄と意中の相手であるハリーについてそう話すジニーに、同じく呆れたように言うハーマイオニー。

「ロンったら私をふくろう便扱いよ?」
「どういう事?」
「シェーマスからの伝言だって言って、ロンがハーマイオニーに伝えて、それをハーマイオニーがハリーに伝えたの」
「シェーマスはディーン、ディーンはパーバティーから聞いたらしいわ」
「...どういう事?」
「「そんなの私が聞きたいわ!!」」

二人はまるで姉妹のようにそう口を揃えて言った。ぷりぷりと怒ってる二人に私は苦笑しながら、口を開く。
時として男同士の友情は見ていて素晴らしいなと思うほどにかなり面倒な時があるようだ。フレッドとジョージがまさしくそれ。あの二人は双子なだけあって以心伝心でもしてるのかというぐらいに仲が良くて、そして喧嘩をする時は派手に喧嘩をする。その間に挟まれているリーとタイリーをなんども見てるために、なんとなくわかってしまうのだ。

「...男の子の友情に、女の子は間に入ることはできないんだよね〜...」

と、そういえば、ジニーもハーマイオニーも首を縦に振って頷いた。








「...って感じ」

監督生としての仕事である就寝前の見回りをタイリーとしながら、私は今日したハーマイオニー達との会話を教える。タイリーはゆっくりと私の歩幅に合わせながら私の話を聞いていた。

「去年はハーマイオニーとロンで、今年はハリーとロンって事でしょうか」
「そんな感じ。男の子の喧嘩ってめんどくさいね。タイリーはあまり喧嘩しないでしょ?セドリックともしない?」

灯をつけた杖を壁や教室の中をかざして歩く。たまに出くわす生徒には早く寮に戻るようにと伝えて、タイリーとの話を続ける。タイリーは少し思考を巡らせたあと、ゆっくりと私の方を見た。

「セドと喧嘩をしたことはないです。フレッド達ともないですね...むしろ俺は止める側です」
「ははっ!!たしかに。セドリックとタイリーが喧嘩なんてしたら、ホグワーツ中がびっくりだね」
「何故ですか?」
「だって王子様と王様だもん。王家の破綻だよ」
「俺とセドは親子なんですか...」

タイリーが困ったように眉をさげて笑う。そんなタイリーを私は笑顔で見上げて、素直じゃないね、と言っておいた。

「そういえば、セドリックとは話した?」
「はい。第一の課題についてのヒントはなにもないので...とりあえず決闘の練習を手伝ってます」
「え!!学年トップの人達がタッグなんて組んだらルール違反じゃないの?」

と、意地悪な声でそういえば、タイリーも声をあげて笑う。
王子様と王様が一緒にいるというだけでも話題をうむのに、一緒にタッグを組んでいるなんて噂が流れたら、それどころじゃない。フレッド達が怒るだろうなと思って、そういえば、タイリーは不思議そうに首を傾げた。

「あ、聞いてない?フレッド達、お金が欲しいから試合でだれが勝つのか賭けをやるみたいだよ」

選手の中でだれが勝つのか。観客の生徒に賭けをやらせて、お金儲けを企んでいるそうだ。タイリーとセドリックがタッグなんて組んだと知られたら、きっとカンカンに怒るだろう。「そんな事したらセドリックが1位に決まってるじゃないか!!」そう大きい声をあげながら怒り出すだろう二人を想像して、私は笑う。

「あの二人は...本当に」

そう、呆れながらため息をつくタイリーを笑顔で見る。なんとなく、夜の廊下を二人で歩くというこの行為がデートみたいで(もう何度だってしてるんだけど)。誰が見ても分かるぐらいには、きっと私は今ニコニコと笑っているのだろう。
そんな私の前に立つタイリーも、とても優しい顔で、私を見つめていた。



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