「魔法は無限よ」

今まで知らなかったことだけど、お父さんとお母さんは魔法使いだったらしい。なんともびっくりな驚くべき事実だった。

お母さんが目の前で木の棒をふんわりと振ると、小さくぼぅっと音を立てて火が出た。

目をパチパチと瞬いて、それを眺めていれば、お父さんがクスクスと笑いながら私の頭を優しく撫でた。

「お父さんもお母さんも、普通の家に生まれたんだ。だけど、魔法が使える人間でね。僕とお母さんは、日本の魔法学校に通って、出会ったんだよ」

この世には魔法を使える人間と魔法を使えない人間に分かれるらしい。
魔法の使えない親から生まれた子供でも、まれに魔法が使える子が生まれるらしい。それが、お母さんとお父さんで。案外周りを探せばそういう子も普通にいるそうだ。

お父さんとお母さんの仕事は、はっきり言ってその時まで詳しい内容は知らなかった。よくよく聞けば、魔法省と言う魔法界の政治に関わる仕事をしていたらしい。国際関係の職に就いていて、イギリスに転勤になったのも、イギリスの魔法省の日本支部に就いたから、だそうだ。

だから、本来なら7歳の時に日本の魔法学校に通うはずだった私は、イギリスに転勤する親についてきたために、今まで普通の学校に通わざるを得なかったらしかった。

「イギリスは11歳の時に入るからね。それまではインターナショナルスクールに通わせてたんだよ。君にホグワーツからの入学許可が出るかわからなかったからさ」
「あなた、私はきっと大丈夫だと思ってたわ」
「そりゃ僕も思ってたさ。モナカの歌声は、幸せになる歌声だからね」
「え、それも魔法なの...?」
「魔法は無限よ。上手であることは魔法以前にあなたの才能だけれど、あなたの声は聞いている人を笑顔にする。それは、あなたが癒しの魔法を持っているからなのね、きっと」

笑顔でそう言う二人を見る。

「いつかあなたの歌声が、私たち以外の人にも聞いてもらえる日を楽しみにしてるのよ」
「あぁ、その通りだ、モナカ。君がホグワーツに通って、自分に自信を持てるようになることを、お父さんたちは望んでいるよ」

小さい私にとって、お母さん達が何よりも最大の味方だったのだ。



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