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今日も高尾君との勉強会は無事おわり、今玄関にいる。
そう、あと一歩ふみだせば、目の前の現実に突き詰められてしまうのだ。高尾君にはなんとかなるって言われたけれど、ごめんなさい、というのは結構な勇気が必要で。
「(....ふぅ)」
少し長めに息を吐き、私は意を決して玄関のドアを開ける。
ごめんなさい、ただその一言をいうだけの練習を心のなかでしながら。
「...あ、」
「...お姉ちゃん」
玄関を開ければ、そこにはちょうど帰ってきたばかりのお姉ちゃんがいて。
まさかこんな急に会うことになるとは、と内心焦る。
「はやい、ね、今日は」
「あ、うん。もう受験まっただ中だからね。部活も早めに終わるんだよ」
「そっか..」
少しどもりながら言う私とは違い、たった数秒の差で生まれただけなのにやはりお姉ちゃんは姉という気質があるようだ。全く気にかけている様子は見受けられない。
それでも、言わなければ。私はあのね、と一言彼女にむけていう。
「うん?」
お姉ちゃんは靴を揃えながらこちらを向く。
私は肩にかけているスクールバッグの紐部分を少し握りながら、少し口を開く。
「昨日は、ごめんなさい。本当は、嫌いなんかじゃない」
「...」
お姉ちゃんはすこし目を開いたあと、みんなが大好きな優しい笑顔を私に向けた。
「ううん。私の方こそ、ごめん。いつまでも一緒じゃ、ないもんね」
その言葉が少し悲しそうで、私はまた何かを言いたくて口を開いたけれど、結局言葉が思い浮かばなくてまた口を閉じた。
「馨はどこを受ける気なの?」
「秀徳..」
「そっか..馨だったら絶対大丈夫だね、いつも頑張ってるし!!」
「ありがと」
「応援してるよ、私」
さっきの悲しそうな顔はどこえやら。
もういつものような明るい笑顔に戻ったお姉ちゃんは、ご飯食べよう、とリビングに私を連れて行く。
謝ったけれど、このもどかしい気持ちはどうすればいいのだろう。
とりあえずはその気持に蓋をして、いただきます、と家族全員で声をそろえて言うのだった。
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