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不思議な女の子に出会った。
部活の帰り、真っ暗になった夜。
公園の前を通れば明らかに危ない雰囲気を醸し出してるおっさんに俺と同じ歳くらいだろう女の子。
困ってる顔をしてたから彼氏のふりをして助けて上げた。
ありがとうと呟いたその子の顔が、何か思い詰めた顔をしていたから気になって。
すこしだけ、話しをした。


まだどの高校に行くか決めていないのだそうだ。
親とすれ違っているのかは分からないが、桐皇にだけは行きたくない、とのこと。
変なこだわりだな、と思ったけれど、進路なんて人それぞれだからまぁいいと思う。


その子は一堂馨という名前だそうだ。
俺と話してる時はいつも笑顔で、よくコミュ力が高いと言われてる俺でさえ、この子コミュ力高いんだろーなーと思える話し方。
似た者同士だ、多分。境遇はちがえど、こうならざるを得ない状況に陥った者同士。


俺のメアドを渡して。相談にのってあげるアピールをすれば小さく笑いながらメールする、という一堂ちゃん。少しナンパっぽい気がしないでもないけれど。
その子の家が近くなるまで、他愛もない話しをした。俺の妹の話しだったり、部活の話しだったり。ほぼ全て俺の話しだったけれど、妹の話しをしてる時に一堂ちゃんが言った、


「私も、歳の離れた兄弟がいたらよかったな」



という言葉に少し疑問を感じた。兄弟がいるのだろうか?ただ純粋に一人っ子だから欲しいと言っているだけなのだろうか?何も分からないまま、彼女の家の周辺につき、さよならをした。


また会えれば会おう、と、とりとめもない約束をして。



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