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「で、結局一堂はどこを受けることにしたんだ?お前の頭なら先生はここをおすすめするぞ」
といって担任の先生におすすめされた学校は、秀徳高校だった。
歴史ある高校で、頭もそこそこいい学校。桐皇以外ならどこでもいいなんて思ってる自分としては、どうでもよかった。
「はい」
先生から受け取った資料、手に、私は職員室を出た。
マフラーを首にかけ、桐皇にいくといっていた友達にメールをし、自分は秀徳に行くことにしたという旨を伝えた。
鞄に教科書やらなんやらをいれ、廊下にでる。
そういえば、あの公園での出来事から彼に一度もあっていないな、ということを思い出した。
連絡はちょくちょく取っている。なんでもないことをお互い話してそれで終わるメールだけれど、親近感があるからかとても楽になれる時間だった。
高尾君にも連絡しよう、と同じような内容のメールを高尾君に送ったとき、玄関で見知った顔があるのを見た。
「一堂」
「なに、ミドリン?」
自分の双子の姉と、この前助けてあげた緑間君だ。
「一堂は桐皇にいくのか?」
「うん。なに?ミドリンって秀徳だったっけ?」
「あぁ」
なんとなく、緑間君が秀徳と聞いて心が躍る感じがした。
そうか、緑間君も秀徳か、と。
この前初めて話したようなものなのに、少し親近感を感じてしまったようだ。
「もう桐皇に決めたのか?」
「うん。もう桐皇受験する気まんまんだよー」
「そうか..」
「どうかしたの?」
あぁ、これは、きっとそういうことだ。
人よりもコミュ力が高いといわれる私からしてみれば、こういう空気はとてもじゃないが居心地が悪かった。
つまり、緑間君は姉に同じ高校に来てほしい、ということだ。
そう言いたいのに、姉が鈍感だからいうことができない、という。
いくらなんでも鈍感すぎるだろう、という思いを考えつつも、心のどこか奥底ではチクリとした鈍痛が秘めていて。
早くいなくなれ、と祈りながら携帯を強く握りしめた。
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