8
「一堂ちゃん」
「高尾君」
久しぶりに高尾君に連絡をした。秀徳に行くことにしたよ。君は、どうするの?って聞くために。
マジバで一人シェイクを飲みながら、英語の単語などを覚える私に、高尾君は真っ赤な鼻のままは声をかけた。
「久しぶりじゃん。元気だった?」
「うん。高尾君は?」
「俺も元気。そいうや、結局どこ受けることにしたの」
「そうそう、それを話そうと思ってさ」
向かいの席に座った高尾君。勝手に私のポテトに手をつけたことはスルーし、私は彼の目をしっかりとみつめて言った。
「私、秀徳に行くことにした」
「え、まじ?」
「うん。高尾君は?」
「あれ、この前言わなかったっけ?」
「言ってたっけ..?」
「ひっでー!!忘れたのかよ!!俺も秀徳受けるよ!!」
「....あ、言ってたね、最初に」
そうだった。うかつだった。彼も実は秀徳を受けるといっていたのだ。
倒したい相手がいるとかなんだとかで。しかも一番最初に会ったときにそう彼がいってたではないか。
「でもなんで秀徳?」
「先生が、お前の頭なら大丈夫だって言ってくれたから」
「うわ、もしかして一堂ちゃんって優等生?」
「うん」
「うわ、さらりというな...」
さらりといった私の発言にげつそりしたように嘆き始める高尾君。
彼はうつむいていた顔をいきなり上げ、何かひらめいたかのような顔をした。
「何?」
「一堂ちゃん、俺に勉強教えてよ!!」
「勉強?」
「うん!!俺頑張ってるんだけど、微妙なとこだし。一堂ちゃんに教えてもらえたら一緒に、学校通えるしさ!!」
「まぁ、別にいいけど?」
「やった!!」
まるでこれは良案だとでもいうかのようにきらきらした顔でこちらを見てくる高尾君。
私はそんな彼に笑いが止まらなくなり、しばらくの間ずっと顔を緩ませていたのだ。
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