02


通常通りの朝。私は生徒会の為に朝早くから家をでた。
毎日朝練のためにはやく出るバスケ部二人をつれて人通りの少ない朝の通学路を歩く。



「バスケ部は相変わらずだねー」

「あぁ。全中三連覇を目指しているからな」

「赤ちんの練習スパルタすぎー」

「敦はいつもお菓子食べてるんだからちゃんと練習しないと太るよー?」

「うわー夏生ちん、そういうこと言っちゃうんだー」

「言っちゃいます」



小さい頃からずっと三人で一緒にいた。二人はバスケ部に入って、私は生徒会。
忙しさは三人とも違うけれど、それでもこうやっていれる時間がとても楽しい。

学校につき、また帰り、と挨拶をかわすと、二人は部室に、私は生徒会室へと足を運ぶ。
今日はたしか、転校生がくるとかでいろいろと忙しい。
書類整理やらなんやら。というか、こんな時期に中学三年生が転校してくるって変なの、と思った。
が、まぁ別段何も気にせずに私はその生徒の書類を机の上に置いた。








愛川姫。

家族は海外に転勤。安全な場所に一人暮らしをさせたいから帝光中に転校。
...一人っ子だからなのか、よくこんなわがまま通せたな。名前もなんか姫とかついちゃってるし、中2病かよ、とか思った。
まぁ、不可解な面は見つからなかったのでその書類を先生に預け、あとはいつも通りの生徒会の仕事だ。




そう思っていたのは最初だけ。



その愛川という生徒が転校してから1週間程経ってから、なんだかこの学校が異質な空気に囲まれて行った。
まるで愛川が本当のお姫様かのように周りの男子生徒が接している。
女子生徒は最初こそ仲良くしようとしていたらしいが、愛川の男子と女子との扱いの差に怒りを通り越して呆れて、今では存在ごと無視をするようになった。つまり、いじめが発生しているわけだが、男子生徒が愛川の味方になっているため女子生徒も何もできない。
彼氏がとられたという女子生徒も何人もいるらしい。

そんなに可愛いとは思わないんだが。と思っていた。というより今も思っている。
性格も見るからに悪そうだし。

そして、一体なんのコネがあるのか無理矢理男子バスケ部のマネージャーになったらしい。
うちのバスケ部は人気がある。まず、モデルの黄瀬君がいる時点で黄瀬君目当てのマネージャーばかりになる事を恐れ、マネージャーを希望する人のテストというものもある。
バスケ部のキャプテンはあんなミーハーの固まりのような人物をマネージャーにはしないだろう。
能力だって、さつきのようなものは持っていないだろうし、何より頭悪そうだし。
だが、気付いていたらあの女はマネージャーになっていた。

しかも、次はマネージャーであるさつきが嫌なのかなんなのか、彼女のモノをなくしたり、無理矢理仕事をさせたりなど、明らかないじめをしているというではないか。
男子バスケ部レギュラーはみんな愛川の毒牙にやられてはいない。
だから全員さつきの味方をしているのだが、自分中心のあの女にとったらそれは当然悔しいものに違いない。


全校女子生徒を敵に回している、という事にも気付かないあほな女。
私はそうつぶやき、生徒会をあとにした。




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