08


赤司と紫原が向かっている場所はどこなのか。
今居る階は三階だから外に出る訳ではなさそうだ。
部活が終わったのは8時過ぎ、ボールやら何やらを片付けて時計を見れば8時半だった気がする。
ということは、あれから何分程経ったのだろうか。結構長かった気もしたが、実はそんなにかかっていないのかもしれない。


「赤司、どこいくんだよ」

「もうすぐ着く」



赤司の後ろをまいう棒をほおばりながらのそのあとをあるく紫原。
こいつらの事だって聞きたい。
あの動きはなんだ、あの生物はなんだ、さっき紫原は一体何をしたんだ。


「ついたぞ」


赤司がそう言い、ついた場所は俺には全く縁のない場所。
うしろでさつきが「え?」と呟いた。

「生徒会室に一体何の用なのだよ」

緑間が言う。
もう生徒はいないこの時間に、この部屋だけ明かりがついていた。


コンコンコン..


ノックを三回した赤司は中からの返事も聞かずにドアを開けた。
「入って」と紫原が言ったため、さつきをおんぶしてる俺を先頭に全員入った。


「来たね」




そこにいたのは、生徒会長であり、俺の女友達でもある相葉夏生。窓のさんに座りながら彼女はそこにいた。


「なんで、相葉っちが...?」

「今時間ないからさ、あとで聞くよ」

黄瀬の言葉にそう答え、短いスカートで組んでいた足を直し、相葉は俺の所にきた。


「さつき、怪我はしてない?」

「う、うん...大丈夫だよ」

「そか、よかった」



いつもの相葉だ。
さつきに笑顔を見せて、俺達全員を見渡す。


「質問はあとで受け付けるよ。今はとにかく急ごうか」


相葉は窓を全開にした。
窓の上にかけられている時計を見ると時間は8時40分をさしていた。
然程時間は経っていなかったみてーだ。


「窓を開けてどうするのだよ」

「まぁまぁ、黙ってみてなって」


相葉はいつもの笑みを浮かべておれらにそう言った。
あいつのトレンドマークでもある、肩に掛けてある膝掛けを勢い良く外に投げた。


「飛べ」



相葉が一言そう言うと、あいつの肩にかけてあった膝掛けが宙を浮く。



「「「「「....!?」」」」」


重力に逆らうかの様に浮かぶあいつの膝掛けに俺らは全員息を呑んだ。
あいつはそんな俺らを一瞥し、この膝掛けにのれ、という。


「は!?」

「大丈夫だから。とりあえず、さつきを先に乗せよう」


俺の背中からさつきを抱え、あの膝掛けの上に乗せた。びっくりしたのか声を出せずになすがままになっていたさつきは膝掛けの上にぽつんと座っていた。




「う、浮いてるっス」

「なんなのだよ...」

「う、浮いてるよ、私!?」



驚きのままさつきはそう1人ではしゃぎ、あとは適当に全員乗れ、と相葉が言った。
もうなにがなんだかわかんねー。俺は半ば投げやりに膝掛けの上に乗ってやった。続いてテツ、黄瀬、緑間と乗り込んで来る。
何人も乗ってるのにこの膝掛けは沈む気配もない。一体なんなんだ。しかも小さかったはずの膝掛けは、俺達が乗ってもまだ余裕があるくらい大きくなっていた。


「征、敦」

相葉が二人にそう呼びかけた。あの三人って仲良かったか?よくわかんねーが、相葉がそういうと、あの赤司でさえも素直にこの上に乗っかった。
相葉は紫原に乗せてもらい、窓を閉めている。


「体育館の施錠はした?」

「いえ、せずに来ました」

「わかった」


あの赤司が敬語で相葉に話している。
俺達はその事実に驚きを隠せずにいた。そんな俺らを無視して相葉は一度指をぱちんとならせる。

すると窓の鍵が勝手にしまり、生徒会室、そして体育館の電気が一度に切れた。


「「「...!?」」」


魔法なのか?マジックなのか?よくわからなくなってきた俺達は、合図もせずに全員で顔を見合わせた。



「じゃぁ、私の家に行きがてら説明しようか」



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