お城の地下で授業なんてなんだか不思議な感じだけど、そもそも城に住むなんてところからおかしいんだからもう何に驚いて良いのかわかんないや。
とにかく魔法薬学という授業で、わたしたちを待っていたのは強烈な先生だった。
「このクラスでは杖を振り回すようなバカげたことはやらん」
うわあ。知っててもこれは、なんていうか…キョーレツだなあ。
魔法薬学のスネイプ教授はやっぱり地下が似合うし、失礼だけど大鍋で薬を煮込んでるのが似合いそう。
「我輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえふたをする方法である」
死にさえふたをする。それって一体どんな薬なんだろう?
わたしの疑問に答えてくれるようなスネイプ先生じゃないし、他の生徒は誰もそんなことに興味は無いようだった。ハーマイオニーがとなりでうずうずしている。元気だね。
スネイプ先生はハリーにいくつか質問をした。その質問はどれも意味のわからないものばかりで(マルフォイたちは答えられないハリーを笑ってたから、もしかしたら魔法族の中では常識なのかもしれない。でも少なくともロンはさっぱりわからないって顔してた)、スネイプはハリーをいじめて楽しんでいるように見えた。
優しくもちゃんと質問の答えを教えてくれるスネイプの声を聞きながら、わたしは羊皮紙にペンを滑らせた。羊皮紙も羽ペンも使いづらくてしょうがないな、誰かノートとシャーペンを用意して欲しい。
実際に薬を調合するようにってスネイプ先生が2人ペアを組んだけど、人数の関係でわたしは一人になった。3人じゃだめなのかなって思ったけど彼に何か物申せるほどわたしのメンタルは強くないので黙って一人で準備をすることになった。
山嵐の針を入れて鍋をまぜながら、なんだ、割と簡単じゃん。一人でもなんとかなるっぽいね。と思った。多分コレ、完成だよね?
スネイプ先生はわたしの鍋をチラリと見て、何も言わずに素通りした。…何か言ってくれなきゃわかんないんですけど…。
完成した薬をどうしようか迷っていると、ネビルがシェーマスの鍋を溶かして(鍋を…溶かして?)しまい、失敗した薬がかかって体中おできだらけになってしまったらしい。泣いているネビルをシェーマスが医務室に連れて行った。ネビル大丈夫かなあ、あとでお菓子でもあげよう。
ネビルたちの隣にいたハリーがとんでもなく理不尽な理由で減点されているのを見て、わたしはため息が堪えられなかった。
「やっほーネビル、調子はどう?」
「ナマエ…」
授業が終わってから医務室に向かうと、ネビルはとっても落ち込んだ様子だった。ベッドに腰掛けて未だしくしく泣いてるネビルの横に座った。
「失敗は誰にもあるよ」
「でも僕、本当に何をやってもダメなんだ…きっと僕、魔法使いじゃないんだよ」
「そんなことないよ。ネビルはホグワーツに入学できたんだし、グリフィンドール寮なんだから。きっとすごい魔法使いになれるよ」
魔法薬学なんて調理実習みたいなものだ。下手でも上手でも問題はないと思う。わたしはローブからアメを出して、ネビルに渡した。
「あげる。あんまり深く考え込まなくていいと思うよ」
「うん…ありがとう、ナマエ」
ネビルは少し元気になったようだ。わたしはネビルに手を振って、医務室を後にした。
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