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談話室に戻ると、ウィーズリー先輩達が厨房から食べ物や飲み物を持ち込んできてくれたらしくて、パーティの続きが開かれていた。わたしたちはそれを眺めながら扉の近くでハリーとロンを待った。

「ナマエ、ありがとう。私、貴女のおかげで怪我なんて一つもしなかったわ」
「あー、どういたしまして。でも友達を助けるのは当然のことだよ」
「それにしても凄かったわ、ナマエの盾の呪文。あなた、魔法が得意なの?」
「た、たまたまだよ」

まさかスリザリンの先輩に稽古つけてもらってますなんて言えないわたしは何とかして誤魔化した。ハーマイオニーはあんまり気にしていないようで、「私ももっと練習しなくちゃね」とか言っている。いやあ、ハーマイオニーはもう十分だと思うよ…。自分の浮遊呪文の出来を思い出して、ため息をつきたくなった。

「あ、ほらハーマイオニー、戻ってきたみたいだよ」

扉が開いて、ハリーとロンがやってきた。目が合うと、こちらに近づいてくる。一瞬気まずい空気が流れたけど、お互いに「ありがとう」を言い合って直ぐにみんな食べ物を取りに行った。
新たな友情が芽生えたね、やったねハーマイオニー。わたしはそっと談話室を後にした。



「あらあら、今日も夜のお散歩かしら? あなた、見かけによらず悪い子なのね」
「お勉強をしに行くんだよ、レディ」

太った婦人に笑いかけて階段を下る。先輩に呪文を教わるようになってからほぼ毎日、わたしは夜こっそり抜け出すようになった。フィルチやミセス・ノリスが見回りをしている場所などとっくに把握している。かくれんぼは得意なほうだ。
そしてわたし達の練習場所は、誰にも見つからない場所ということで例のあの部屋になった。

「遅かったじゃないか」
「急いで来たんですけどね…」

暖炉の前で先輩が本を読んでいる。ここは8階のあの部屋――必要の部屋である。誰にも見つからず、呪文の練習ができる場所。そんなのここしかない。
でもグリフィンドールの寮からここまでは結構距離があるし、さっきまでトロールとひと悶着あったのだ。少し遅れたくらい許してほしい。…そんなこと怖くて言えないけどね!

「ミョウジのことだからついにフィルチにでも見つかったのかと思った」
「見つかりません〜! ピーブスにだって見つかってないです」

フィルチも、ミセス・ノリスも、他の先生も、ゴーストだってわたしが夜出歩いていることは知らないだろう。知っているのは目の前に居る彼だけだ。…そういえばハリーとロンがマルフォイに夜呼び出されてハメられたって聞いたけど、あれどうなったんだろう。ハーマイオニーも着いていったらしいけど、もしわたしのことがバレたらカンカンに怒るんだろうなあ。ばれないようにしようっと。

「で、そのローブの汚れはどうしたんだ。ここに来る前に、森へピクニックでもしに行ったのか?」
「あ、あ〜〜これは…」

わたしのローブは埃で白くなっていた。ハウンド先輩は顔をしかめて、スコージファイを唱える。たちまち綺麗になったローブを見て「おおーすごい」と声が出た。そんなことで誤魔化されてくれるハウンド先輩ではない。

「えっと〜〜…ちょっとトイレでひと悶着あって…」
「トロールと?」
「なぜそれを!?」

わたしが何とかばれないように、事実をオブラートで何重にもくるんで伝えようとしたところ何故かハウンド先輩から答えを言われてしまった。知ってたの? どうして? わたし達以外の生徒は、トロールが地下に現れたことしか知らないはずでしょう?
先輩はため息を吐いた。

「なるほど。君は自ら進んでトラブルに首を突っ込むタイプのようだ。実にグリフィンドールらしい」

な、なんだか馬鹿にされたような気がする…。けど気にしたら負けだ。スリザリンの彼が、グリフィンドールでマグル出身のわたしを馬鹿にすることなんて今に始まったことじゃない。そもそも人を馬鹿にするのは、多分彼の性格だ。

「あっ、プロテゴ! 呪文を唱えてだったけどちゃんと使えましたよ、先輩のおかげです!」
「僕が教えるんだ、それくらいできて当然だろう」

トロールの棍棒を防いだことは怖くて黙っておいたけど、当然だという先輩の声が少し嬉しそうだった気がした。うん、嬉しそうだったってことにしとこう。わたしはニヤリと笑って、「今日は何を練習しましょう!」と聞いた。

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