お遊びしましょうと誰かが云った

ひらりひらりとワンピィスが舞う。可憐な姿とは裏腹に、少女の表情は硬い。
「また貴方でしたか」
「厭だなあ、そんな顔しないでよ?」
向かい合うのは黒服の青年。見える肌に巻かれた包帯が異様な雰囲気を漂わせる。
「何時も何時も、私達の邪魔をして……一体何なんですか」
「君に逢いたいから」
「……っ、巫山戯るな!貴方にとっては遊びかもしれないけど……」
「そうだねえ、遊びだよ」
「!!」
「この世界の凡ては遊びに過ぎないさ。勿論君との戯れもね」
「……でも、私達にとっては遊びじゃないの。お願いだから邪魔は……」
「ああ、云い忘れていたけれど。
私はね、気に入った遊戯には本気になるんだ」
包帯だらけの青年は笑う。少女をその光の無い目に映し。
「私を本気にさせたのだから、逃げられるなんて思わないでね?」

却説、お遊びの様な恋をしようか。

「本気だよ。だって遊びだもの」
ツイート:2017.05.19
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