文ストプラス@

「あら、こんなに善い月夜に何の御用?」
「失礼お嬢さん。嗚呼、噂に違わぬ美しさだね。桜色の着物に包まれた華奢な身体……『吸血鬼』とは思えないな」
「……私の正体を知って其処まで冷静なのは貴方が初めてだわ。死ぬ覚悟がお有りの様ね―――!……っ!?」
「おっと……そんな可愛らしい姿で人を殺してはいけないよ?血を浴びた姿も綺麗だろうけどね」
「な、……血が、吸えな、何で」
「君の異能力は『触れた物の血を吸う能力』……残念だったね。私に異能力は通用しない」
「……っ。私を殺しに来たのかしら。それとも軍警に差し出すの?」
「いいや?私はね、君を捕まえに来たんだ」
「は……貴方は、軍警……いいえ、違うわね。その包帯に異能力無効化。かの有名な探偵社の―――」
「ふふふ、やあっと捕まえた。可愛らしい吸血鬼さん―――
―――その血も体も心も全部、食べてしまいたいよ」

はてさて、処刑されるのは一体何方か―――
ツイート:2017.05.11
#3つのお題で創作 shindanmaker.com/716352 より
「バンパイヤ」「処刑人」「和風」


※↑続き
「ん……、は、あ……」
「んっ……ね、もっ、と……強く噛んでいい、よ」
「……これ以上強く噛んだら、貴方の首を噛み千切ってしまうんじゃないかしら」
「良いよ?いっそ噛み千切ってくれないか。そうして君は私の血を吸って、私は君の中で生きる。
素晴らしいじゃあないか。ねえ、私の可愛い吸血鬼さん?」
「貴方は死にたいの、それとも生きたいの?」
「私の血が君の中を流れる。私は君の所為で死んで、君の為に生きるのだよ」
「……そうしたら、私もこの部屋で死ぬのかしら。貴方に閉じ込められたこの部屋で」
「ふふ、大丈夫さ。君は死なないよ。君が死ぬときは食い尽くしてあげる。そうしたら共に生きられるね」
「……お話に、なっていないわ」
「何方かが死ぬ時に判るさ―――さあ、もっと刻んでおくれ。此処に、君が私のものだという証を」

『二人で共に死んで、二人で永遠に生きようね』

嗚呼、まるで吸血鬼の様じゃあないか?
ツイート:2017.05.11


※お互い好きだったのに、拗れた二人。状況だけは↓と一緒
体だけの関係で、いつも避妊してるから女の子は安心してて。でも何故か妊娠してしまって、
「何で!?いつも付けてたじゃあ……!?」
って焦る女の子に対して薄っすら笑って
「これで君は私の物だね。ああ、君が私の事好きじゃないのは知ってるよ、でももう私が居ないと駄目でしょう?」
「避妊具を破っていた事にも気付かないなんて隙だらけだね」
与えられる体の快楽にもいつのまにか依存してるし生まれてくる子供の為にもだざあさんから逃げ出せない
ツイート:2017.05.07


「愛しているよ」
ええ、でも私だけじゃないんでしょう。
「ずっと一緒に居たい」
はい、でも貴方は私と生きてはくれないのでしょう。
「君を何よりも大切にするよ」
ありがとう、でも貴方は要らないの。貴方が私を要らないように。

君はいつまでも私の事を見ない。
「私も愛しています」
身体は繋げても心までは許してくれない。
「私も貴方と生きたい」
私の事を信じてくれない。だから私も君を信じきれない。
「貴方は何より大切な人です」

「愛しているよ」
私だけを嬉しそうに見つめて貴方が云う。
「ずっと一緒に居たい」
腹が痛む。きっと私が生きている所為。そして腹に宿った命の所為。
「君を何よりも大切にするよ」
逃げ場を失った今、貴方の前でしか、私は呼吸を許されない。

嗚呼、君が私だけを見ている。
「如何して、何故」
きっとその心も私で満たされているだろう。
「最初からこの心算だったんですか」
恐怖が浮かんだその瞳が何よりも愛おしい。
「私を、騙していたの」

「騙していたのは君だろう。でも、これで漸く君を信じられる」
「なに、を」
「君がやっと判ってくれたから。私達は幸せになれるよ」
「そんなの……っ、貴方だけの幸せじゃないですか!」
「そうだね」
「……!」
「私は今まで君に夢を見せる機会は幾らでもあげたよ。それを拒んだのは君だ。残念だったね、私に溺れれば善かったのに」

―――そうすればもう少し、呼吸が楽になっただろう?

溺れれば楽に息が出来たのにと、息をするように矛盾を吐いた彼は、私の前で幸せそうにわらった。
ツイート:2017.05.28
体だけの関係だと思い込んでた彼女と、彼女に自分の愛が伝わらなくてやきもきした挙句拗れちゃった彼の話


※マフィア最年少幹部殿と部下の子。ちょっと物理的に痛い表現有り。

「君……また自分の目を刺したのかい。その刀で」
「あら幹部殿。ええ、それが何か?」
「この処多い。戦場で使い物に為らなくなったら君など価値はないよ」
「お厳しいこと。良いのですよ。好きでやっているのです。それに貴方に捨てられる程役立たずにはなりません」
「ふうん……なら良いのだけれど。処でさ、君」
「はい」
「右目を刺したのは、態と?」
「ええ。態々包帯も巻いたのですよ。お揃いです」
「……やれやれ、まったく。可愛いことを云うのだから。これだから君と居ると飽きないよ」
「お褒め頂き、嬉しいです。幹部殿」
「いっそ、左目も潰してあげようか。そうして本当に私の人形になるかい?」
「それも魅力的ですが、その前に幹部殿の左目を潰してからでも良いでしょうか?」
「冗談だよ、私はね、私を追いかけてる君を見るのが好きなんだ。だから人形にはしないよ」
「私も貴方の人形より、貴方の傀儡として生きたいですね」
「君は本当に変わっているねえ」

傀儡の少女は今日も傷を作る。包帯だらけの幹部とお揃い。
過ぎた忠誠と愛だって?其処はほら、恋は盲目ということで。
つねこさんに与えられたお題は「刀」「盲目」「自傷」です。頑張って混ぜてください。
#3つのお題で創作 shindanmaker.com/716352
ツイート:2017.05.14
サイコパスバカップル


「……何でしょうこれは」
「おや、起きたかい?お早う」
「いいえ、起きていません。だって視界が真っ暗ですも、のっ!?」
「うふふ、良い反応するなあ。可愛い」
「……」
「ありゃ、黙っちゃった。おーい?」
「……あの」
「如何したんだい?」
「一寸、やめて」
「何を?」
「っあ……否、だから」
「はっきり云わないと判らないなあ」
「耳元で囁くのを止めろって云ってるんです!!」
「ふふ、見えない君に説明してあげよう。私は君を後ろから抱き膝に乗せ耳に触れるか触れないかの処で息を」
「止めろ!考えないようにしてたのに!!」
「そして君の目の前、私の手の届く処に色々な道具が」
「うらぁっ!!」
「痛っ!!?頭突きは卑怯!!」
「卑怯は何方ですか!これ外してください」
「…………っふ、ふふふふふ」
「え」
「良いね、抵抗が何時もより大きい。視界が塞がれたことで過敏になっているのかな?つまり今の君は何時にも増して感度良好という訳だ」
「あっ不味いこれ火を点けてしまったやつだ」
「感度は良好でも私から逃げる術は無いね?」
「待って、落ち着、や、あ、いやあ――――っ!!」
ツイート:2017.05.14
お題箱リクエストより「目隠しプレイ(コント)」


※小さな喫茶店でバイトを始めたマフィア最年少幹部殿と、其処の常連の女の子の話。パロではない。

「あ、いらっしゃいませ♪」
「『いらっしゃいませ』じゃあありませんよ……今日こそ此処の従業員を止めてもらいますから!マフィア!」
「……君はそう云うがね、私は誠心誠意此処で働いているだけなのだよ?」
「嘘仰い!」
「本当さ。あれは何時だったか。私が間違えて陶磁杯を割ってしまって、謝りもしなかったのを、君が怒ったんだったよね。私はあの時目が覚めたのだよ。そして陶磁杯の代金の代わりに此処で労働を」
「働くまではしなくてもいいでしょう!?貴方、如何やらポートマフィアの偉い人らしいじゃないですか!」
「偉い人?そんな証拠が何処に?」
「う……何か……部下っぽい人に指示を……」
「偉い人じゃなくても部下くらいはいるよ」
「うう……」
「嗚呼、私は本当に此処の店長に申し訳ないと思って働いているだけなのになあ。何の証拠も無いのにこんな事を云われて私の繊細な心はとても傷付いたなあ。お茶の一杯でも飲んで行ってもらわないと気が済まないなあ……」
「うう……一杯だけですよ!!一杯だけです!!」
「うふふ、ご注文有難うございます」

「何を企んでいるのか知らないけれど、何時か絶対証拠を掴んで、店長とこの店を守る!!」
「単純に、君に逢うのが面白いから続けてるだけだよ、って云ったらどんな顔するかなあ」

完全勝利の罰ゲーム。
あるいは、現在攻防中。
完全勝利の罰ゲーム。
『一人遊び。』お題bot
ツイート:2017.05.17


※ポートマフィア最年少幹部は自分を殺させる為に、意思の有る人形を部下の異能力者に作らせる。性別は女。死んでも直せるので、何時も同じ人形を使う。その為少しずつ少しずつ情が沸く。然しその情は。その少女を痛めつけるのが愉しい。殺しに来るのが楽しい。そんな歪んだ情。

「ねえ、その程度?」
「う、ぐ……」
「何時になったら私を殺してくれるの?ねえ、何時になったら私は君と死ねるんだい?」
「……」
「……まあ、良いか。生きているからこうして君の可愛い顔を見られるのだものね」
人形の、少女の、何度も殴られた顔を撫で、微笑んで、手に持った銃を向ける。
「さようなら。次の君は私を殺せると良いな」
死んでもまた元通り。
少女は青年を殺そうとする。青年は少女を痛めつけて殺す。
―――それが壊れたのは、とある青年が死んだ日。
「…………何故」
「?」
「何故悲しそうなのですか」
「……ああ……友人がね。死んだんだ」
「……」
「……今回の君は、殺さない。私が云うのも何だけど。君は……生きてくれ」
「駄目です」
「…………!!」
「判っているでしょう。私は貴方を殺す為に作られたのです。だから生きていれば貴方を殺してしまう……お願いです。貴方が光の当たる世界で生きるというのなら」

私を殺して。

貴方の所為で何度も死んだ。何度も生きた。歪んでいたけど幸せでした。ありがとう。さようなら。私は今、笑えていますか?
治で殺伐・ヤンデレものを創作するならお題は/殴り愛、コロし愛/失った君を何度でも創ろう/泣きながら笑顔でお別れを です shindanmaker.com/238431
ツイート:2017.05.17


※マフィア幹部太宰さんの性欲処理の女の子、をいつも用意する女の子の話

「今日はこの子っと」毎日毎日飽きないなあとか思いつつ今日も適当な女子を宛がう。太宰幹部は「本当はあの子を抱きたいんだけどな、欲の処理ではなくて、恋人として」視線の先は何時も一緒に居るけど抱いた事はないあの子。
「あの、何故私は押し倒されているのですか……っ!?今日の女性は好みではありませんでしたか!?申し訳ありません!」
「……違うよ。私は君を抱きたいの」
「わ、私……?」
思いを告げた太宰幹部はその日から猛アタックするようになる……が。女の子は「今夜の女性が駄目だった……否、毎日違う女なのが面倒になったのかな……」と微妙に歪んで解釈する。それでも諦めずに毎日迫ってくる幹部に漸くこの人本気かと思う。然し「私に似た女性を用意したので勘弁してください」と逃亡。ブチギレた太宰幹部に追いかけられるのであった。

「見ぃつけたあ……」地獄の底から響く様な声にゆっくりと振り返ると、包帯が巻かれた顔に珍しく怒りが浮かんでいる。
「な、何でしょう……」「何でしょうって?この期に及んで?」「ま、待って下さい!判りました、若しかしなくてもあの女性では駄目だったんですね!?もっと綺麗な方ですか!?それとももっと寡黙な―――」「ねえ」「はいっ!?」マシンガントークを遮りニッコリ笑う太宰幹部。「君に選択肢をあげよう。私の恋人になるかならないか。因みにならないのなら毎晩毎晩喉が枯れるまで啼かせて抱き潰して気絶した君の耳元で延々と愛を囁いてあげよう」「恋人に為ります」「わあ、嬉しい。処で知っているかい?」「え?」「マフィアは脅しなどしない。ただ兇行あるのみなのだよ」「え」「それに『ならないのなら』とは云ったけど、為ったらやらないとは云っていない」
声に為らない悲鳴を上げて逃げようとするも、ガッチリと抱き込まれ脱出は不可能。

其の侭連れ戻され、向かう先に自分が這入る事は一生無いと思っていた寝具が見えて、今度こそ口から悲鳴が洩れるのであった。

翌日、暗黙の了解の内に、彼女の仕事内容と肩書が変わったとか、何とか。
ツイート:2017.05.28

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