翌日


ふと目が覚める。
ふわふわとした微睡みに抗うようにゆっくりと瞼を開ける。

すると、目の前にはすっと通った鼻筋に、目を閉じている為に強調された長いまつげ。
さらりと流れた銀色の長い前髪。
自分の頭の下には彼の腕が差しだされているのが目に入る。

一瞬、夢女の思考が停止するが、あぁと昨夜を思い出す。

自分の隣で規則正しく呼吸を繰り返す三成を見て再び安心する。

このまま、もう少し抱き締められるように二度寝をするのも悪くないかと思うが、そろそろ起きなくては昼になってしまいそうだ。
もしも左近あたりが起こしに来たらまずい。もの凄く。
三成を起こさぬ様にそろりと起き上がる。
自分の着物を探そうと布団に手を着いて周りを見回した時、ふいにその腕を掴まれた。

「どうした。」

「あっ、や、み、三成っ。お、おはよう。」

「何故慌てる。」

自分の腕を掴む三成と目が合うと、昨夜の情事を思い出して顔が熱くなるのがわかる。

「何故目をそらす。」

「や、なんか恥ずかしいと言いますか、照れると言いますか……」

夢女は真っ赤になりながら怪しい程に視線をさまよわせていた。

「ふん。」

三成は夢女の体をぐいと引寄せる。
何の隔たりも無いため、お互いの体温が、鼓動がよく伝わる。

あったかい。
身を任せたくなる程心地好い。

夢女が目を閉じようとした時、ふと思い出す。

「そういや、三成はいつ帰って来たん?昨日はまだ戦が終わってへんって聞いてたんやけど。」

「昨夜、ここに来る一刻程前だ。城に戻って直ぐ様秀吉様と半兵衛様にご報告に上がり、刑部と左近にも報告は済ませた。」

三成は夢女の髪を指で弄びながら答える。

「みんな三成が帰って来たん知ってるんやな。」

「その際、秀吉様と半兵衛様に…刑部と左近にも夢女の元へ早く行けと言われた。」

「そっかぁ…皆に心配かけてもうたからなぁ。後で皆にお菓子でも作って謝りに行こう。」

ここ数日の皆を思い出して申し訳無い気持ちになる。

「そういや、戦って終わってすぐ帰れるん?後片付け的な……」

「全て家康に任せてきた。」

「あぁー……」

夢女は帰って来たら家康にも何かお礼をしようと思った。





 





豊臣家2トップ
小説トップ
トップページ