幸村がかわいくて


「すいませ〜ん。お話しおわりましたかぁ〜?」

「?」

「夢女か。かまわぬ。」

「おじゃましまーす!」

スッ

「石田殿。此方は…?」

「はじめまして、真田様。夢野夢女と申します。いろいろあって大坂城に住んでます。」

「そうであったか。それがし、真田源二郎幸村と申す。」

「堅苦しい挨拶は終わりにしてお茶でもどうですか?出来立てのお団子もあります。」

「何と!」

「旦那、がっつかないでよ、恥ずかしい!」

「う、うむ。すまぬ、佐助。」

「いやいや。幸む…真田様のために作ったんやからいっぱい食べてくださいな。」

「さ…佐助…」

「まったく…夢女ちゃんがそう言ってくれたんなら…」

「はい!佐助も食べてな!で、真田様、1つお願いがあります。」

「む、なんでござろう。」

「幸村って呼んでいいですか?あとタメ口。」

「そんなこと。気にせずとも好きにしてくだされ。」

「マジで!やったー!幸村ならそう言ってくれると思ってた!ほらほら団子食べて!自信作やねんけど、どう?どう?」

「なんと!この団子は夢野殿が作られたのか!まこと美味でござる!」

「マジで!嬉しい!これもこれも食べて!」

「むぐっ、かたじけない!むぐもぐ。」

「………佐助、幸村の頭わしゃわしゃしたらまずいかな…。」

「えっ!?だめだって!」

「あのわんこ具合…たまらん!わしゃっと!わしゃっとだけ!!団子に夢中になってる今のうちにわしゃっとっ!」

「だ、駄目だって!」

「破廉恥と叫ばれてもいい。離してくれ、佐助!」

「駄目だってっうわっ!?」

「三成!?」

「貴様…誰の許可を得て夢女に抱きついている。」

「いや、お宅の姫さんが…」

「言い訳は聞かない。」

「ストップストップ!私が悪かったから、刀しまって!」

「ふん。」

「もう、ぷりぷりしない。三成もお茶入れてあげるから。」

「…コーヒー。」

「ありません!もう、すねない。三成もお団子食べて。」

「いらん。」

「私が作ってんで。」

「…いらん。」

「がんばって作ったのになぁ。」

「……。」

「あーん。」

「……ん。」

「おいしい?」

「あぁ。」

「よかった。」

「え、何、石田の旦那がそんなこ…」

「は、破廉恥ーー!!」

「出たーー!生破廉恥!!マジ声量やべぇのな!」

「真田、煩いぞ。」

「はっ、も、申し訳ござらん、大谷殿!」

「まぁまぁ、幸村、ほらこっちの団子も食べてみてよ。あーんして。」

「あ…なっ…はっ破廉恥!」

「夢女ちゃん、わざとでしょ。」

「さすが佐助ー。バレちゃった。かわいいなぁ幸村。」

「はぁ…あんた一体何者?」




 





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