セクハラ


ガチャ

「あー、三成ぃー。おかえりぃー」

「あぁ」

「"ただいま"やろぅ。やりなおしぃ。」

「黙れ。」

「………う…。」

「何だ。」

「……三成は…うちの事…嫌い……なんかなぁ…ぐすっ…」

「なっ!何故突然泣きだす!?」

「うぅ……だって…すぐ怒るし…冷たい…し……うぇーーん」

「な、泣くな!誰もその様な事は言ってはいない!」

「ほんまに…?」

「あぁ…」

「じゃあ好き?」

「そ、それは…」

「うぅ…やっぱり…」

「ーッ!…わ、私も…夢女が…好きだ。」

「ほんまに?良かったぁ三成大好きぃ!」

「貴様!だ、抱きつくな!」

「いややぁ!離れないー!うぇーーん!」

「…わかったから泣くな」

「ぐす……三成も…」

「…は?」

「ぎゅーってして?」

「な、な…」

「嫌なんや………」

「ーーッ!わ、わかった…。」

「わぁい!三成のにおいー。うへへ」

「ーー………。」

ガチャ

「三成よ、先程のー………」

「ぎ、刑部!!!こ、これはッ!」

「…三成よ、するなとは言わぬが場所ぐらいはわきまえた方が良かろ。」

「ち、違う!これは…」

「いや、言い訳等…」

「刑部ぅおかえりぃー!」

ぎゅぅぅぅぅ

「刑部ぅぅぅぅ!」

「夢女!?ぬ、ぬしは急に何を…」

「な!?貴様、刑部にまでっ!」

「刑部ぅ、好きぃ!刑部は?」

「ヒッヒヒッ…愛い、愛いよ。」

「やったぁ。………。」

「夢女?」

さわさわ

「刑部って結構いい体してるやんなー。」

「!!」

「…三成は細いやんねー…」

「ッ!!き、貴様!やめろ!着物を脱がすな!」

「ちょっと見せてよぉ!ケチ!…わかった。うちも脱げばいいねんな。」

バサッ

「「ッ!」」

「や、やめろ!」

「夢女、ぬしは…」

ガチャ

「三成様、半兵衛様が呼んでー……」

「あ、左近だぁ。」

「あの…これは一体…」

「さーこーんー!」

がしっ

「え、え、なんなんすかこれ!?何で急に夢女ちゃんが抱きついてきたんすか!?」

「「はぁー…」」

「え、ちょ、三成様、刑部さん、溜息吐いてないで助けてくださいよ!」

「左近……ちゅーしよ。」

「「何!?」」

「ちょ、夢女ちゃん待って!」

「ちゅー……ぶっ!いたっ!」

「貴様ッ!いい加減にしろ!」

「…はぁ…三成様のおかげで助かりました。」

「ヒヒッ惜しかった。なぁ、左近。」

「いやいや、冗談やめてくださいよ!こんなの半兵衛様にバレたらマジで殺されますって!」

「三成重いー!おりてー脱ぐからー!」

「意味がわからん!とりあえず脱ぐな!着ろ!左近、こいつを押さえろ!」

「…三成よ…」

「いや、よくわかんねぇっすけど…三成様、とりあえずその体勢はいろんな誤解を受けると思うんすけど…」

「何をー……」

ガチャ

「三成君、さっきから呼んでいるのにどうしたんだい?左近君もーー…」

「「「ッ!!」」」

「半兵衛ぇー…」

「あ、あの、半兵衛様!これはっすねぇ…えっと…」

「…着物がはだけた女性の上にこれまた着物がはだけた男が馬乗りになって押さえ込んでいる。…さて、この現状を僕にもよくわかるように説明してくれるかい?内容によっては僕は君たちを処断しなければならない。」

「…は、半兵衛様、誤解っすよ!ねぇ、夢女ちゃん!」

「ぐーーー…」

「寝てるし!!」






「ほんっっっっとうに申し訳ありませんでした!!!」

「ヒヒッ…まぁ、早々にぬしの様子がおかしい事には気付いておったが…ぬしが其ほどまで酒に弱いとはなぁ。」

「いや、帰って来て冷蔵庫のジュースがぶ飲みしたつもりやったんやけど、それがお酒とは…まったく気づきませんでした。」

「まったく、今日の晩酌用に冷やしてた特製梅酒をまるまる全部飲んでしまうとはね。しかも相当な絡み酒。」

「本当にごめんなさい!そんなに迷惑かけましたか?」

「ヒヒッそうよなぁ。三成が一番絡まれておったよなぁ。」

「三成…ごめんなさい。」

「貴様…本当に覚えていないのか?」

「…うん。なんか3人に絡んだ気がせんくもないんやけど、全然覚えてへんくて…。」

「そうか…ならいい。」

「ほんまにごめんな。刑部も左近も。」

「はぁ…とりあえず夢女君は一生お酒は禁止だね。」

「え!?一生!?なんで!?」

「「「「一生飲むな。」」」」

「……はい。」




 





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