いつもの帰路を二人並んで歩く。
そして、ふと疑問に思った事を聞いてみた。
「石田君は家康君と仲が良いの?」
普段より眉間にシワを寄せて私を見る。
「ふざけたことをぬかすな。」
「そうなの?よく一緒にいるから友達なのかと思った。」
「家康は秀吉様の敵だ。私はヤツを許さない。」
「ふーん。」
よくわかんないや。
喧嘩するほど仲が良いってやつかな?
「お嬢は…家康と仲が良いのか?」
「えっ…うーん…」
もとは片思いの相手でそんなに接点はなかったけど、石田君と付き合うようになってから何かと気にかけてくれてよく話すようになったんだよね。
「仲…良いのかな?最近はよく家康君と話すよ。」
「なっ!?」
あ、しまった。
うっかり素直に答えてしまった。
「や、でも話すって石田君の事とかで…」
慌ててフォローを入れようとするが、それを遮って石田君が少し寂しそうに問うてきた。
「私より…家康の方が良いのか?」
一瞬意味がわからなくてぽかんとした。
冗談かと思うが、石田君の目がマジだと語る。
「いや、石田君に決まってるじゃない。だって私達付き合ってるんだよ?」
「ならば何故私の事を石田と呼ぶ?」
「へ?」
質問の意図がわからず間抜けな返答を返す。
「ヤツの事は家康と呼ぶが私の事は石田と呼ぶだろう。何故三成と呼ばない。」
なるほど。
そういうことか。
「えっと…石田君も名前で読んで欲しいと…?」
銀色の髪を揺らしながら、石田君はこくんと頷いた。
何だこれは。
「ふふ…ふふふ…」
「なっ何故笑う!」
「いや、ふふふ…」
気を悪くした彼は少し不機嫌な顔になる。
だが、私の笑いは止まらない。
「ふふ…ごめんね、三成君。」
それを聞いた彼の目が大きく見開かれた。
「なぁに、三成君。」
笑顔で問いかけると三成君はぷいとそっぽを向いてしまった。
「何、何、どうしたの、三成君。」
顔を見ようと回り込む。
「何でもない!」
そう仏頂面で答える三成君が、実は微妙に照れているのを私は知っている。
他の人は気付かない変化がわかるのが嬉しい。
「私、三成君の事一番大好きだよ。」
その変化が見たくてわざとそう言って手を繋ごうと彼の手に触れる。
意外と強く手を握り返してくれたのが嬉しくて、二人で顔を綻ばせながらゆっくり帰路を歩いた。
← →
間違いから始まる恋トップ
小説トップ
トップページ