あのストーキング騒動を見てから近藤さんに会いづらくなり、できるだけ避けて仕事をしている。
と言っても屯所内での仕事が多いためどうしても近藤さんと顔を会わせる事になるが。
「お嬢ちゃん、お疲れさまー。仕事には慣れた?野郎共にセクハラとかされてない?」
笑顔で声をかけてくれる近藤さん。
嬉しい気持ちと腹立たしい気持ちがどろどろと渦巻く。
「…大丈夫です。ありがとうございます。」
「…あー…そっか!なら良かった!…あー!布団重そうだな!手伝おうか?」
「結構です。自分でできますから。」
このイライラが何かわからない。
八つ当たりというのは解っているが、正直どう接したらいいのかわからない。
近藤さんが眉尻を下げて困った様な顔をしている。
そんな顔をさせてしまっている事に対して自己嫌悪。
「えーっと…俺、何か気に障るようなことしたかな?」
「……いえ、何も。」
「でも…」
「本当何もないですから。」
「あ、そっか、ごめんね。」
「……。」
嫌だ。自分が嫌だ。
でもどうすればいいのか何もわからない。
← →
潜入トップ
小説トップ
トップページ