サンドイッチ


目が覚めた瞬間、少女の視界に広がったもの。
それは、彼女の記憶にはない見知らぬ白い天井だった。

反射的に起き上がった途端、頭の中が破裂しそうな程に痛む。小さく呻いて頭を抱え込むようにうずくまると、視界には新たに真白いシーツの波が広がって。そこで初めて、自分の身体が知らないベッドの上に横たわっていたのだ、と気付いた。

「やっと目が覚めましたか」

不意に、誰かの声が耳に届く。咄嗟に声が聞こえた方へと目を向けると、そこには随分と懐かしい紫のコートを身に纏った青年が、顔を顰めて立っていた。右腕の袖から覗く金の腕時計、まるで愚者を見るような冷めた眼光。そして、口元に浮かぶ皮肉めいた薄ら笑い。それは、久しく見ることのなかった"あの頃"の彼を彷彿とさせる。

「……ビートくん?あれ…?なんで……?」

ここはどこ?どうしてここに?なぜそんな格好を?
聞きたいことがあり過ぎて、逆に言葉が詰まってしまう。そんな彼女を遮るように、青年の声が耳に届いた。

「ぼくはこっちです」

それは、確かに目の前にいる青年の声だ。なのに、彼は口を全く動かしていない。そして、聞こえたのは、真正面からではなく———

「あれはぼくじゃない。本物はこっちだ」

斜め後ろを振り返ると、そこにいたのも、また少女がよく知る人物だった。綿あめのように柔らかそうな髪、少し不機嫌そうに顰められた眉。けれど、アメジスト色の双眸には確かな強い光が宿っている。フェアリー使いのジムリーダーとして、誇りに満ちた青年だ。
その彼が"あれ"と称したのは、もちろん少女の真正面に佇むもう一人の青年のことだろう。首を何度も捻って二人を交互に見比べてみても、どちらかが煙のように消えることはない。確かにそこに存在しているのだ、ビートという青年達が。

「……え、なにこれ……私、夢を見てるの……?」

「あなたは目を覚ましたまま夢を見れるんですか」

嫌味めいた響きをたっぷりと含むのは、真正面の彼から発せられる言葉だ。確かに馬鹿げているけれど、そうでも思わなければ、この現実離れした状況に説明がつかない。それは斜め後ろの彼も同意見なのか、少女の意見を否定するでもなくただ何やら考え込んでいる様子で黙り込んでいた。

「それに、本物と偽物の区別なんて誰がつけるんだよ。キミが本物だと主張するなら、ぼくだって同じです」

言葉を失くした少女と片方の青年を前にして、紫のコートを纏った彼は自分の存在を強調する。一体、どういうことなのだろう。訳が分からないまま辺りを見回してみても、少女の視界に映るのは殺風景な室内と、しきりに金の腕時計を触りながら彼女を見つめる青年。そして、そんな彼を睨み付けるように鋭い眼差しを向けるジムリーダーの姿だけだ。
そこで、少女はとある違和感に気付くこととなった。

「……あれ?この部屋、出口が……」

不思議なことに、三人を取り囲む四方の壁には、扉というものが備わっていないのだ。そんなはずはない、出入口がないというのなら、この三人はどうやってこの部屋に運ばれたというのだろうか。知らず知らず口に出ていた彼女の言葉に反応を見せたのは、腕時計に視線を落としていた青年の方だった。

「やっと気付いたんですか?そうです、ここはある条件を満たさなければ一生出られない部屋なんですよ」

一生、という大仰な物言いに怖気づく少女の後ろで、片割れの自分を睨み付けていた青年の肩がピクリと跳ねる。まるで、もう一人の自分が語る言葉の真意を感じ取ったように、光を宿した双眸が小さく左右に揺れて内心の動揺を表していた。そんな彼に追い打ちをかけるのは、自分と同じ声を持つ青年の言葉。

「キミはもう分かっているんだろ?」

気怠そうなその声音とは真逆に、コートの裾を揺らしながら彼が歩み寄る先には、未だベッドに座り込む少女がいる。突然迷いのない足取りで距離を詰め始めた彼の姿に怯えるように委縮する身体へと伸びた手は、肩に触れる直前でもう一人の青年の手に払い退けられた。

「……ユウリさんに、気安く触るんじゃない」

ようやく彼の口をついて出た言葉は、片割れの問い掛けへの答えではなく。もう一人の自分への、強い牽制の意思だった。そのままベッドの端まで少女の身体を引き寄せ、冷めた眼光を湛える片割れから守るように、腕の中へと華奢な身体を抱き寄せた。

「気安く触るな、だって?……笑わせてくれるなよ」

———本当のキミは、彼女に触れたくて仕方ないくせに。凄惨な笑みを浮かべて告げられる言葉に、彼女を抱き締める腕の力が微かに強まる。
やめろ、それ以上言うんじゃない。その願いは非情にも届くことはなく、二人の傍に歩み寄る青年の口から、楽しげな声音で少しずつ語られ始める真実。

「正直になれよ、ビート。ぼくには嘘なんて通用しない。ぼくはね、キミが抱いてきた汚い劣情の塊なんだ。勝手に生み出しておいて、心が破裂しそうになるとまるでゴミのように捨ててきただろう?彼女を見る度に込み上げる衝動、煩悩、満たされることのない渇き。夜毎自分で慰めて、吐き出してきた熱の残滓。ぼくは紛れもなく、本物のキミの欲望だよ。そしてここは、キミが望んだ空間だ」

「うるさい、うるさい、うるさい!黙れ!黙れよ!」

青年の言葉は、今やもう一人の青年に向かって鋭い刃のように突き刺さっていく。そしてその痛みに吠える彼の声は、悲痛な響きに満ちていた。

「ほら、分かるかい?否定なんて出来やしないだろう。当然だ。だってぼくは"本物"のキミなんだから」

"自分自身に隠し事なんて出来るはずがないんだよ"

まるで悪魔の誘惑のように、甘い囁きを続ける声。

「もう、我慢することないじゃないか。どうせキミの願望が叶うまで、ぼくらはここを出られやしない。やり方は分かっているだろう?ぐちゃぐちゃに、どろどろに、彼女と一つになって融けてしまえばいい。ほら、キミだって、早く彼女を|壊《あい》したいくせに」

同じ顔、同じ声。なのに、まるで違う存在。その二人のせめぎ合いを前にして、少女はただ目を見開いたまま驚愕に身体を強張らせることしかできなかった。

「……うそ、うそだよ……うそだよね……?」

皮肉屋で、意地悪で、素直じゃない。けれど、大事な時にはいつも必ず真摯に向き合っていてくれた青年。
その彼が、今、自分を抱いている彼が———

「……ぼくは、あなたを"    "」

二人の青年の声が、何重にも重なって聞き取れない。
やめてと呟く少女の悲鳴は、青年の唇に掻き消された。



「やだ、っ…やだぁ…っ…ビートく、…っ」

すすり泣く少女のか細い声と、粘着質な水音が室内に絶えず響いている。
昏い瞳に情欲の炎を宿した青年にベッドの上で背後から抱え込まれ、両手を掴まれているせいで、抵抗らしい抵抗もままならないまま、両脚の間に顔を埋めるもう一人の青年の口唇がもたらす執拗な愛撫にただ身悶えることしかできなかった。
未熟な突起は充血して膨れ上がり、そこを熱い舌で擦られる度に痺れるような強烈な快感が全身を駆け巡っていく。嫌だ、やめてと目尻から流す涙以上に、幼い膣口からはとろりと甘い涎が溢れ出して止まらない。

「あなたがそうやって泣けば泣くほど、"アイツ"はもっと興奮するんだ。そうだろう?ビート」

少女の背後から掛けられる声に、もう一人の青年の肩がピクリと跳ねた。しかしそれは、紛れもないもう一人の自分自身が語る本音なのだ。否定も肯定もしない代わりに、青年の愛撫は更に執拗なものへと変わっていく。包皮を剥いて剥き出しになった突起を固く尖らせた舌の先端でグリグリと転がしながら、細く長い指を一本、ヒクつく膣口に宛てがって。くちゅ、と淫靡な音を立てたかと思えば、熱く蠢く膣内へとゆっくりとその指を挿れ始めた。

「———…っあ…!ぁ、だめ、っだめぇ…っ!!」

途端に仰け反る少女の首筋に、背後の青年の唇が吸い付いていく。白い肌の上をざらついた舌が這い回り、くすぐったさと奥ゆかしい快感に背筋を戦慄かせる間もなく、下腹部からせり上がる強烈な刺激に思わず息を呑んでしまう。自分の体の中を、他人の指が浸蝕している感覚。ゆっくりと抜き差しを繰り返しながら、指の腹が肉の襞を擦り上げれば、少女の泣き声には甘い響きが混じり始めた。
頭の中で何かが弾けるような絶頂感は、剥き出しの突起に与えられ続けた刺激で既に嫌というほど体感している。しかし、今少女の体を蝕んでいるのは、それとは比べものにならないような堪えようのない快楽だった。敏感な秘部を同時に責め立てられ、首筋からはまた違う刺激を与えられている。いつの間にか拘束から解放されていた両手はだらりと垂れて、背後の青年に寄り掛かるように体重を預けていると、また新たな甘い痺れが胸の頂から走り抜けた。

「っあぁ!!あ、っ!だめっ、それっ、やぁあっ!!」

いやいやと首を振って強過ぎる刺激を拒絶する少女の意思が届くことはなく、後ろから抱き竦めるように回された両手が胸の突起を無遠慮にぐりぐりと捏ね上げている。開発されたばかりの性感帯を余すことなく苛まれ、少女の体は一気に限界に上り詰めていた。
脳髄が蕩けてしまうような、快感の波から逃れられない。膣内を探るように弄っていた指先がザラついた一点を掠めると、少女の体がビクンと大きく波打って反応を示す。それに気付いた青年の指先が集中的に一点を擦り上げると同時に舌先がぐりっと秘部の突起を押し潰し、胸の頂を甘く引っ掻かれた瞬間、凄まじい快感が少女の全身を走り抜けた。

「〜〜〜っっ、!!ぁあ、っっ……!!!」

声にならない悲鳴のすぐ後に、掠れた悲鳴を漏らした少女の体は、一瞬の強張りを見せたあとにゆっくりと弛緩して青年の体に寄り掛かった。膣内の指を食い千切らんばかりにぎゅうぎゅうと締め付け、ゆっくりと引き抜かれる間も名残惜しげにヒクついてその後を追っていく。

「……ああ、すごい。蕩けきっているじゃないですか」

「…これだけ解せば、もう大丈夫だろ」

二人の青年が交わす言葉の意味など理解する余裕すらも残っていない少女を見つめる四つのアメジストは、どれも例外なくギラついた欲望の炎に燃えていた。快感の余韻にびくびくと震える両脚を大きく開かせるように背後の青年が抱え直すと、その間へともう一人の青年の体が割り入ってくる。さあ、いよいよですよ、と耳元で囁かれる低い声ですら、今の少女にとっては堪え切れない甘い刺激だ。意味も分からずにふるふると首を小さく振って子猫のように喉を震わせていると、疼きが止まらない膣口へと酷く熱を孕んだ塊が宛てがわれた。

「…ひっ…、やだ……うそ、やだぁ……!」

その熱の正体を目に止めた瞬間、少女は思わず息を呑んだ。
細身の体躯に似合わない、大きく反そり立つ肉の塊。それは、確かに目の前の青年の下腹部から伸びていて。誇りと希望の光を宿していたその瞳には、揺るぎない情欲の熱が灯っている。
上手く力の入らない体を必死に捩って抵抗しても、背後の青年に強引に開かされたままの両脚はビクとも動かない。そしてその間でくちゅ、くちゅ、と粘着質な音を響かせながら擦り付けられる先端は、確かに新たな快感の波を呼び起こし始めていた。

「ぁ、ぁっ…、こすっちゃ、やっ…んぅう…っ…!」

「……力を抜いて……」

ぽつり、と呟かれた青年の声。その要求の意味を理解するよりも先に、少女の膣内に体感したことのない質量がゆっくりと侵入し始めた。たっぷりと時間をかけて解したとはいえ、一度も男を受け入れたことのない少女の体内は驚くほどに狭く、熱い。強引に腰を沈める間、下腹部を襲う未知の圧迫感と痛みに藻掻く華奢な体を二人の青年は甘い手付きで撫で、白い肌に幾度も口付けを落とし、交互に胸の突起に刺激を送って少女の悲痛な泣き声が再び蕩け始めるまで、丹念な愛撫を惜しみなく注ぐ。

「大丈夫、すぐに気持ち良くなれますよ」

背後から突起を優しく引っ掻きながら囁くその青年の言葉通り、少女の体は徐々に痛みの奥底に潜んだ快感を拾い始めた。膣内を押し広げるように抜き差しを繰り返すたびに奥へ奥へと挿入り込んでくる肉棒が膣壁を擦り上げる動きに合わせて、拙い嬌声が響き始めると、青年の腰つきも探るような単調な抽送から少女の性感帯を責め立てる動きに変わっていく。亀頭の窪みで襞を引っ掻きながら抜けていくかと思えば、次の瞬間には敏感な最奥を力強く突き上げて少女の反応を引き出すのだ。

「ひあっ!あっ、あ、っあ…!ん、っぁん、あっ…!!」

「……ああ、"ここ"が好きなんですね」

肌と肌が重なり合うほどに根元まで食い込んだ肉棒で子宮口を擦り上げると、少女の悲鳴は一段と甘く掠れた声に変わる。そのまま獣のように腰を打ち付け、円を描くような動きを加えて最奥をグリグリと責め立てると、あっという間に肉棒をきつく咥え込みながら少女は幾度目かの絶頂を迎えた。
しかし、青年の腰の動きは止まらない。それどころか更に荒々しさを増し、お互いの体液が膣口で泡立つほどに激しく少女の体を揺さ振り続ける。

「ゃあーっ!ぁあっ!だめぇっ!も、やだぁっ!!ひぁあっ!!」

必死に叫んで訴えようとも、その願いは青年に届かない。逃げ惑うように捩る細腰を掴んで、情け容赦なく突き上げ続ける青年の様子に何処か満足げに笑う背後の青年もまた、その体に手を這わせて強烈な快楽の海へと少女を誘う。
片手は固く勃ち上がった胸の頂を弄び、指の間に挟んで優しく摘み上げてはそのままこりこりと擦り上げ、もう一方の手は二人の結合部まで伸びて、混じり合った体液で濡れた秘部の突起を指の腹でこねくり回す。内からも外からも暴力的なほどの快感を与えられ、堪え切れずに泣き声混じりの嬌声を上げる少女に、背後の少年は相も変わらず甘く囁いた。

「ほら、どう言うかは教えてあげたでしょう?ちゃんと言わないと分かりませんよ」

「あっ、んぅっ、イっちゃうの、っまたイっちゃ…っ!!———…ぁああっ!も、イってるっ!!イってるっ、からぁ…っ!!やぁああっ!!」

留まることを知らない絶頂に次ぐ絶頂に、口をぱくぱくと開閉させて必死に呼吸を繰り返しながらただ揺さ振られることしか出来ない。もはや体の動かし方すら分からなくなった少女に抵抗の余地はなく、一旦引き抜かれた肉棒にようやく凶暴な快感の責め苦が終わったかと思いきや、その場で体を反転させられてシーツの上にうつ伏せの形になった途端、再び腰を力強く持ち上げられて。

「残念でした。僕らはまだまだ満足してないんですよ」

その声は、一体どちらの青年から発せられたものなのだろうか。それすらも分からないまま、高く持ち上げられた腰から、再び下腹部が苦しくなるほどの質量が押し入ってくる感覚だけははっきりと分かった。
背後からの突き上げは、先ほどよりもずっと激しさを増している。青年が腰を引いては寄せるたびにぐちゅ、ずちゅ、と淫靡な水音が響き、それを掻き消すような少女の嬌声が絶えず室内に充満していた。

「あぅっ!ぁっ、おくっ、おく、ぐりぐりだめぇっ…!あ、ん…っ!ひぅ…っ!」

「…嘘つきだなぁ。嘘をつく悪いお口は、塞いであげないといけませんね」

背後から責め立てられる体勢は、子宮口により一層刺激が届きやすい。勢い良く打ち付ける代わりに今度はねっとりと腰を回して亀頭で少女の性感帯を丹念に擦り上げると、言葉とは裏腹に自ら腰を揺らして更なる快感を自ら求め始めた姿に、昏い瞳を携えた青年は口元に弧を描いて自身の欲望も露わにさせた。

「ほら。咥えて」

目の前に突き付けられたのは、大きく反そり立ったもう一人の青年の熱。今も尚、休まることなく膣壁を擦り上げて強烈な快楽をもたらしている存在を改めて意識させるその塊を口元に寄せられると、むせ返るような雄の匂いが少女の鼻孔を刺激した。
抵抗する力もないことは、少女自身よく分かっている。恐る恐るその熱に触れようとした瞬間、両手首を掴まれてしまった。
そのままの状態で急かすように亀頭を唇に押し当てられれば、もはや逃げ場はどこにもない。その塊をおずおずと口内に迎え入れた途端、再び背後からの激しい律動が始まった。

「んぅっ?!んっ、ぅ、んんっ…!ふ、ぅんっ、ん…っ!!」

「……そっちばかり、気に掛けるなよ……っ」

腰をがっちりと掴まれて、獲物を食らう獣のような勢いで容赦なく突き上げられれば、快楽の悦びを知った体は急激に上り詰めていく。強烈な刺激のあまり思わず上げかけた顔は目の前の青年の手で抑え込まれ、そのまま腰の動きに合わせて口内を強引に蹂躙される息苦しさに眩暈がした。前と後ろ、そのどちらからも乱暴に貫かれ、それでも抗い切れない快感に少女は涙を流して悦ぶ。
肉棒を食い千切らんばかりに締め付けながら絶頂を迎えても、背後からの律動は止まらない。激し過ぎる衝動に喉を絞って息を詰めた瞬間、口内一杯に熱い飛沫が吐き出されたと同時、体の奥で大きく爆ぜた肉棒からも迸るような精が注がれていくのが分かった。

「ぅ、ん…っ…ひぅ、…っ…ん、…っ」

「溢すなよ。全部飲んで」

粘度の高い体液を思わず吐き出そうとした少女の顎を掴み、酷く優しげな声音で語る青年を前にしては、逆らうことなどできなかった。必死の思いで飲み込んだ少女の目尻から伝う涙をねっとりと舐め取り、満足げに笑う青年の表情に安堵したのも束の間、硬度と質量を保ったままの肉棒が再び膣壁を擦り始めた途端、少女の表情は恍惚と恐怖が入り乱れたものへと変わって。

「ぁんっ…!あっ、ゃあ…っ!びーとく、…!」

「……まだ、」

まだ、足りない。
そう呟く青年の声は、欲情に濡れて掠れている。ぐったりと前に倒れ込んだ少女の膣から一旦肉棒を引き抜くと、混合した体液でたっぷりと濡れた亀頭をもう一つの穴へと宛てがった。その意図を理解した少女がひっと息を呑むとほぼ同時、固く閉ざした蕾を押し割って肉棒は体内へと埋まっていく。
抵抗も空しく、潤滑油代わりの体液を纏った熱の塊は少女の意思に反してずぷずぷと律動を繰り返すたびに深く深く這入り込んでしまう。痛みと未知の圧迫感に泣き叫ぶ少女の体を抱え起こして、そのまま仰向けに寝転がれば、新たな結合部をもう一人の青年に見せつけるような形となった。

「ぃ、たいよぉ…っ!やだ、っ…抜いてぇ…っ!」

自身を貫く青年の体の上で、背を仰け反らせながら必死に抵抗を繰り返してはみても、肉棒は抜けていくどころか重力に従う自重のせいで余計に奥へ奥へと迎え込んでしまった。膣口からは真新しい吐精の残滓を垂れ流し、その下でぬらつく肉棒を咥え込む口。その光景はあまりにも淫靡で、煽情的で。
まるで蜜に誘われる蝶のように、見せつけられるその両脚の間へと近付いたもう一人の青年は、徐に伸ばした指先をゆっくりと膣の中へと埋めていく。

「…っ!ぁ、…っあ…!だめっ…だめ、そこぉ…っ!」

「…すごい、とろとろだ。なのに全然抜けませんよ、あなたが咥え込んで離さないから」

「ゃあっ!ぁあ、っ…んぅ、あ…っ!ぐちゅぐちゅだめ…っ、しないでぇ…っぁん…っ…!」

先程まで肉棒を呑み込んでいたそこは、青年の指を容易く受け入れた。むしろ自ら喜んで咥え込もうとするかのように、ぐにゅぐにゅと蠢いて指を奥へと導き始めるのだ。痛みに戦慄いていた肌は今や新たな快感への期待に小さく震え、腰を拙く揺らして男を誘う。そのいざないに応えるべく、青年も硬く勃ち上がった肉棒の先端を濡れそぼった膣口へと押し当てた。

「ゃっ…入んない、入んないよぉ…っ!」

既に、下から一本呑み込んでいる。それだけでも圧迫感で一杯だというのに、新たに迎え入れるなど不可能のように思えた少女はふるふると首を振って拒絶の意思を示したものの、二人の青年がそれを受け入れるはずもなく。
むしろ受け入れやすいようにと、下から少女を貫く青年は細い両脚を膝裏から抱え込み、もう一人の自分が彼女を穿つ瞬間を待っていた。

「だめっ、だめっ…だ……———ひぁああ…っ!!!」

ずぷり。一気に体内へと挿し込まれた肉棒に敏感な膣壁を擦り上げられ、少女は喉を反らしながら一気に絶頂へと上り詰めた。
感じたことのない下腹部の圧迫感に、思わず呼吸が止まってしまう。酸素を求めて薄く開いた唇を震わせながら必死に強烈な快感に堪えている間にも、青年達の歪んだ愛情表現は少女の体を蝕んでいく。下からゆっくりと突き上げる彼は、未知の快感を与えると同時に割れ目から覗く秘部の突起を優しく愛でるように擦り上げて。覆い被さりながら容赦なく腰を打ち付ける彼は、的確に性感帯を刺激しながら胸の頂に吸い付いて執拗な愛撫を続けていた。

「ひぅ、っぁあ…!あーっ…!だめぇっ…!も、おかしく、なっちゃ…よぉ…っ!」

「———おかしくなってしまえばいい」

二人の声が、同時に聞こえたような気がした。
そしてその言葉が引き金となったかのように、少女のなけなしの理性は、数えきれない幾度目かの絶頂を迎えた瞬間、一気に弾けて消し飛んだ。呂律の回らない舌を必死に動かし、うわ言のようにもっと、もっとと快楽をねだる。その言葉に呼応して青年達が全身を駆使して与える快感に、身悶えしながら繰り返し絶頂の波を迎えて、悲鳴混じりの嬌声を響かせた。何度も少女の体内に精を吐き出し、再び硬度を取り戻せば熱い体内へと潜り込む。

いつしか部屋の壁には外へと繋がる扉が現れていたが、それすら気付かず、気付こうとせずに。
互いの体温が混じり合うまで、繰り返し快楽の海に溺れていた。