寂しがりやのうさぎ(1/2)

annieさんへ!
サイト開設一周年おめでとうございます!

アニメネタ。


ベッドに転がりながら雑誌を読んでいると、ピンポーンと軽やかに、我が家のインターフォンが鳴った。

──誰だこんな休日に!

せっかく一人穏やかに休日を満喫していたのに邪魔が入るなんて、とても許しがたい事態である。そうつい舌打ちをしそうになったが、仕方なく体を起こして、階下へと向かった。
今日は両親も、景太たちもいないのだ。訪問者への対応は、必然的に私になる。留守番を仰せつかっている者として、居留守を使うわけにはいかないのだった。万が一宅配便とかだったら、いつかの景太みたいに、お母さんに怒られてしまうものね。

ピンポーン、と再びインターフォン。「はいはい、今出ます〜」そんなに短時間で押さなくてもいいのに。せっかちな訪問者なのだろうか。そうだと面倒くさいなあ、と少し乱れた髪を直しながら、ドアノブへと手をかけた。そしてゆっくり押し開ける。


「どちら様、」


ですか。
と言い切る前に目に入ってきたのは。


「…あれ、USAピョン?」
「ウサ?!七海?!」


黄色いボディースーツのうさぎさん。メリケン妖怪であるUSAピョンだった。


「ななな何で七海がここに?!ここは天野家じゃないダニ?!」


若干パニックになりながら、USAピョンが私を指差してくる。こちらこそ、休日の闖入者が、知り合いの妖怪だと誰が想像しただろう。とにかく、話を聞く必要がありそうだ。背の低い彼に目線を合わせるために私は膝をおった。


「何でって、ここ私の家だよ。USAピョンこそどうしてここに?」
「ダニ?!じゃあ、じゃあ七海はケータの…?!」
「ケータは私の弟。私は、ケータのお姉ちゃん」
「ダニーー?!」


USAピョンが、両手を頬に当てて叫ぶ。
そんなに驚くことだろうか。いや、でも私もまさかUSAピョンとケータが知り合いだとは思わなかったしなあ。本当に景太は顔が広いんだから。これはある種の才能だと言えよう。


「な、な、なんて羨ましい…」


モゴモゴとUSAピョンが何かを呟いた。が、よく聞き取れなかったので聞き返す。しかし彼は慌てた様子で「なっ何でもないダニ!」と両手を胸の辺りで振った。


「──で、USAピョンは何しにうちに来たの?」


遊びに来たのなら、景太は家にいないよ。そう続けた私にUSAピョンは狼狽えたが、きょろきょろと視線をさ迷わせると、「実は、」と背中に背負っていた荷物を下ろした。
今まで気付かなかったけど、USAピョンの体からしてかなり大きな荷物だ。しかも、それなりに重たそう。


「実は…またご厄介になろうと思ったダニ…」
「ご厄介…?またって…?」
「い、家出してきたんダニ!前はケータの部屋でお世話になったんダニよ…」


初耳である。いつの間にかケータは妖怪の駆込み寺になっていたらしい。
しかも家出、ということは一緒に住んでいる人と喧嘩でもしたということか。

もじもじとUSAピョンが俯いた。「で、でもケータがいないなら仕方ないダニね…」そんないじらしい姿を見せられて、自他ともに認める可愛い動物好きな私が見放すわけがなかった。


「それじゃ、ミーは別のところへ…」
「待って待って。私の部屋においでよ」
「だ、ダニ?!七海の部屋…?!」
「うん、私の部屋。ケータの隣の部屋だから、たいして変わらないでしょ?」


それに前科があるなら、USAピョンの同居人がここまで彼を探しに来るかもしれない。
ジバニャンやウィスパーがいる家だ。私だって妖怪慣れしてるのだから、USAピョンと一緒に過ごすことくらい何てことなかった。


「い、いいんダニ?!」
「他に行くところがあるなら別だけど」
「ない!全然ないダニ!七海がいいなら、その、」
「うん、いいよ。私の部屋においで、USAピョン」


USAピョンなら大歓迎だよ。そう言ったときのUSAピョンの目は、キラキラ輝いて。少し恥ずかしそうにはにかんだ。