日替わりで警察学校組が落ちてくる@

ここ一ヶ月、日替わりでイケメンがリビングに落ちてくる。何を言ってるのか分からないと思うけど、私にも分からない。文字通り突然どさっと落ちてくるのだ。最初は本気で悲鳴を上げたが、今では驚きすらしない。もう慣れた。

そして落ちてくる人達も最初こそ警戒心剥き出しだったけれど、今となっては自分の家のように寛いでる。それもどうかと思う。「名前ちゃん今日のご飯なに〜?」と聞いてくる萩原さんに「食べてくんですか?」って返せば「うん。お腹減った」と言われるから「どんどん遠慮が無くなりますね」って呆れた顔をすることになる。

また別の日には「風呂場の電気切れかかってっけど、変えるか?」と松田さんがタオルで頭を拭きながら戻ってくるから「普通に風呂入ってるし…」と呟けば「お前が入っていいって言ったんだろ」ときょとん顔で返される。

「そうですね…あ、あった。これお風呂の電球です、交換お願いします」と新品の電球を渡せば来た道を戻って風呂場に向かうから、その背中を遠い目で見つめることになる。

また別の日には「常備菜も何個か作っとくね」とキッチンでぱたぱたと動く諸伏さんに「そんなに食べれるかな…」と呟けば「名前ちゃん一人だと全然食べないからね。ちゃんと食べなきゃダメだよ」と困ったような顔で笑われてしまう。

「人並みには食べてますよ。諸伏さんの料理スキルが高すぎるだけです」と返せば「ははっ、美味しいって思ってもらえてるなら嬉しいよ」と笑った諸伏さんが作業を再開して、その手際の良さをぽけーっとしながら見つめることになる。

そしてまた別の日には「悪い、30分したら起こしてくれ」と目の下に驚くほど濃いクマを作った降谷さんがソファにぼふりと横になる。「……今回は何日寝てないんですか」と呆れながらブランケットをかければ「さん……」と小さな声が返ってくるから「人間辞めました?」と首を傾げる。

「うるさい……ちゃんと、にんげんだ……」と呟きながら眠りについた降谷さんを見てしょうがないなとため息を吐く。日替わりで自宅にやってくる彼らの滞在時間は少しずつ長くなっていって彼らがいる日常が当たり前になってきた頃、私は突っ込んできた車に跳ねられた。

私のいない部屋で、いつまでも帰ってくることの無い私の帰りを待っているであろう彼らのことをぼんやりと考えて、届かない謝罪を何度も繰り返した。その後、米花町の病院で目が覚めて戸籍も自宅も何もかも無くなっちゃった名前ちゃんをここぞと言わんばかりに引き取ろうとするK学のドタバタラブコメが待っていたり待っていなかったりする。
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